・【衝撃】妹が欲しすぎるので家族代行サービスで「妹レンタル」した結果 → 妹なんていなくていい(その2)


鳴り響くアラームを切ってぼんやり目を開けると、窓から柔らかく差し込む太陽の光とチュンチュン歌うように小鳥たちの声……良い朝だ。豆乳を飲みながら目を覚ましていると妹からメールが届いた。内容は以下の通りである。

「おはようございます。ファミリーロマンスの○○です。9時40分頃に池袋到着予定です。池袋のどのあたりでお待ちしたら良いでしょうか?」

業務的な内容に安心した。いきなり「お兄ちゃん!」みたいなノリで来られても困る。妹がいたことがない身としては、いくら兄妹でも初対面の女性にタメ口で話すのは段階が必要なのだ。そこらへん常識的な人でまずは良かった。

・待ち合わせ

待ち合わせ場所に行ってみると……めっちゃギャルっぽい人いるーーーー! 服もメールに記載の特徴に一致!! 多分あのギャルが私の妹だ。すみませーん! 妹をレンタルした者ですが……

私に気づいた妹は「はじめまして!」と笑顔を見せた。お金を払って女性と会うことが初めての私だったが、さすがに慣れた様子。会うまでの一連のリードっぷりは「プロの妹」と言っても過言ではないだろう。

・妹とミーティング

まずは、カフェで自己紹介とミーティングをして、店が開くまでの時間をつぶしつつ方向性をすり合わせることに。呼び方は「妹 → 私」は「アニキ」、「私 → 妹」は「絵理」に決定。普段アニメをあまり見ない絵理だが、好みに合わせるために『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』を見たという。

・全妹萌え男子憧れのシチュエーションを体験

1時間ほどお互いのことを話した後、街に繰り出した。全妹萌え男子憧れのシチュエーション「妹と買い物」である。妹の荷物持ちをさせられる兄。嫌そうにしながらも持ってくれる兄の優しさに妹胸キュンの黄金パターンだ。

だがしかし! ここで誤算が発生。エマージェンシー! 服を持たされるのが嬉しすぎて満面の笑みになってしまいます、サー!!

全く嫌そうにできなかった。実際これはただのご褒美である。それはともかく、普段こんなお洒落な服屋には縁のない私。ついでに、絵理に服を選んでもらったところ……

ブルーノ・マーズかよ。白いパンツなんて絶対に買わないし、グラサンをかけずに飾る発想が目からウロコすぎだ。普段の私と対極の恰好である。ふざけやがって……全部お買い上げで

・生意気な妹

買い物を通して、なんだかんだで「兄貴」「絵理」の呼び方にも慣れてきた私たち。ついに最後のビッグイベント「妹とゲームプレイ&アニメ鑑賞」のステージへ。

家に着くなり「汚ッ! 座りたくないんだけど!!」という声をあげる絵理。絵理も生意気言うようになったのか。短い時間だけどなんだか感慨深い。

・迫るリミット

そんな小さな感動は置いておいて、恋愛シミュレーションゲーム『CROSS CHANNEL』を一緒にプレイ。妹と恋愛シミュレーションゲームをプレイするのが夢だった私。願わくは、最後までプレイして感動を分かち合いたい。だが、もうすぐリミットである

思えば、今日1日本当に楽しかった。普段の色あせた日常がウソのように。そして、昨日ツタヤで借りた兄妹の恋愛アニメ『ヨスガノソラ』の DVD がシンデレラの魔法を解く深夜12時の鐘となった。

時間ピッタリ「ありがとうございました!」と帰っていく絵理。その後ろ姿に、再びプロを感じた。ちなみに、当日の延長はできないシステムだという。こんなに別れが辛いなら、確かに妹なんていなくていい。まさかこんな気持ちになろうとは……衝撃である。

・本来の代行・代理サービス

なお、私はこの仕事に対して、客との距離感を取るのが難しそうだと感じたのだが「膝枕など体が多く触れるものはダメ」「事前にメールで知らせているコース以外は回れない」など、代行者を守る様々なルールが決められているようだ。本来なら、客と2人きりになる個室のような場所にも入れないが、今回は取材のため特別対応とのこと。

基本的には、対外的に必要な場面で手助けしてくれる代行・代理サービスなので、依頼が入ってもモラル的にNGになる場合もあるという。ただし、今回利用してみて、その対応範囲は広い気もしたので、興味がある人は一度相談してみてはいかがだろうか。

取材協力:ファミリーロマンス
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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