【2009秋冬 JFW in TOKYO】シャネル社長コラス氏を唸らせた新進デザイナーの活躍

23日~27日の5日間、東京のミッドタウンで行われている『東京発 日本ファッション・ウィーク』。幕開けの初日は「SHINMAI Creator’s Project」によるコレクション、いわゆるデザイナーの「新米」たちが1年間かけて制作した衣装を披露した。
デザインは日本だけではなく世界中から60名の応募があり、その中から選りすぐりのデザイン5組を選出。当初は3組の予定だったが、最終選考で残っていたのは12組。「そのどれも大変レベルが高く、どうしても3組に絞ることができなかったことから、どうにか5組に増やせないか…という(コラス氏の)提案で今回増員が実現したほどレベルの高いものであった。本当に素晴らしいデザインだった」(当プロジェクト選考委員長/シャネル(株)代表取締役社長リシャール・コラス氏談:写真左端)。
主な選考基準は日常で着れるものということで、応募デザインの多くが特別すぎない実用的な衣装が多く見られた。今回選ばれた5組のデザイナーは、新宿の伊勢丹でも「SHINMAI」として紹介されるそうだ。東京近郊にお住まいなら、リシャール・コラス氏をも唸らせた洗練された衣装を、ぜひ目の当たりにしてみるのもいいだろう。
今回選出されたデザイナー5組とデザイン・テイストは以下の通り(各デザイナーと衣装を纏ったモデルの2ショット画像はこちら)。
■aéthéré(e) (Ly-Ling VILAYSANE&Adrien ESCARAVAGE)
まるでセピア色のフランス映画から抜け出したようなクラシカルなデザインにモダンさをプラス。本来人々が求めているのは、こういう自然なスタイルなのかもしれない。日常から着装を得ていて実用的だが、生地の切替えを独創的にするなど、さり気なく個性も重視している。バッグがジャケットに変身するなどエコを考えた作りにするなど、飛び抜けたセンスの良さに感動すら覚える。
■donna sgro (Donna SGRO)
ポップでカジュアル元気な女の子というイメージだが、袖や裾には緩やかなフリルが付いていて優雅さも忘れていない。10代までだと思っていたキュートなスタイルを、いくつになっても楽しめそうなデザイン。実際にタコ・イカ・クラゲなどを観察してデザインしたというだけあって、使われている生地はメッシュや光沢のあるものなど、どこか海洋生物っぽくて面白い。街中の視線を一気に集めそう。
■SHIDA TATSUYA (信太 達哉)
今回のコレクションの中でひときわ異彩を放つデザイン。全体的に民族的でモコモコとした印象。スモーク系の色にビビッドなピンクやレッドをさし色にしている点など、遊び心が感じられる。モコモコとスタイリッシュの絶妙なバランスを保っているところはまさに芸術的。デザインラフを描かず、その場にある素材や色をそのときの気分で身に纏わせるという、すべて彼のインスピレーションにより作られたファッションの真骨頂といえるデザイン。
■SACHIO KAWASAKI (川崎 祥央)
彼が大好きな音楽家「Steve Reich」の「Music for 18 Musicians」がイメージの源。音を目に見える形で表現したという今回のデザインは、流れるようなラインが繊細な弧を描いて絵画のようにも見える。ボディラインは優雅で女性らしく、どこか彫刻を連想させるものだ。素材はシルクがメインだが、中にはレザーのような光沢のある稀な生地を用いたものまであり、独創性を感じられる。これらのデザインは、知性と洗練された都会の女性を演出してくれるだろう。
■NIMA (Nima TAHERZADEH)
女性の力強さを反映し、ワイルドさやパワーを表現しているというデザインは、エレガントな中にも自立した女性像が感じられる。胸元には蝶のようなフリルが付いて可愛いらしい反面、露出した肩や絞ったウエストは魅惑的に女性を演出。世界的な経済状況の悪化に伴い人々が購入する理由ができるものをとの願いから、投資する価値があり何度も着れるものという実用性を考えたデザインになっている。服は強い主張をするようにデザインされており、逆境をプラスに変えようとする意志が伝わってくる。
執筆:メル凛子
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たとえ 売れそうなものがいくつあっても シャネルと呼べるのは一つだけ。