おせち料理にもそろそろ飽きてきたら、残りの食材を使って斬新な食べ方に挑戦してみてはいかがだろう? カリッとした食感と甘じょっぱさで酒が進む祝い肴の「田作り」。イワシの幼魚を乾燥させたこの食材が、なんとアノ食品と合わせることで絶品デザートに変化するのである。

その食品とは、アイスクリーム。「まじかよ~!?」という声が聞こえてきそうだが、答えはマジである。取材班は、バニラアイスクリームと抹茶アイスクリームの2種類のアイスを田作りと共に味わってみた。

バニラアイスは田作りと一緒に口に含むと、田作りのタレとバニラの風味が混ざってキャラメルのような味に変化するのである。田作りをかじれば、香ばしいナッツのような食感がして味わい深い。取材班のイチオシは抹茶アイス。抹茶のほろ苦さと田作りのほろ苦さが相性抜群なのである。また、抹茶アイスのなかで田作りのタレが黒蜜のような味わいに変化するのも面白いところ(ちなみにアイスクリームは予め冷凍庫から出して5分ぐらい室温におき、少しやわらかくしておくとよい)。

「魚とアイスを合わせるなんて、どうかしてる!」と思われる読者もいるだろう。しかし、ちょっと考えてみて欲しい。田作りは魚を使った料理ではあるが、注目すべきは田作りのタレなのだ。田作りのタレは、しょう油と砂糖とみりんが主な材料であり、日本人が愛してやまないみたらし団子のタレの材料と同じなのである。

以前、アメリカではバニラシェイクにフライドポテトを浸して食べる方法が浸透しているとお伝えしたが、「田作り×アイスクリーム」が日本で浸透する日もそう遠くはないだろう。塩スイーツやしょう油スイーツが好きな方には、ぜひとも試して欲しい組み合わせだ。

(執筆・写真 / 鈴木香穂里)