タイの国技・ムエタイ。タイ式キックボクシングとも呼ばれるムエタイは、立ち技最強の格闘技とも言われており、古式ムエタイも含めれば、その歴史は少なくとも400年以上とされている。そんなムエタイの試合が荒れに荒れ、とんでもない事態になった動画が海外の格闘技ファンの間で話題になっている。

動画の序盤から激しく打ち合うムエタイ戦士だったが、青コーナーの選手(以下、青)の見事なカウンターパンチが入り赤コーナーの選手(以下、赤)がダウン。これはチャンスとばかりに追い打ちの跳び回し蹴りを放とうとした青だったが、寸でのところで赤が避ける。勢い余った青は、そのままエプロンサイドへ落下してしまった。

ここまでの流れは、ムエタイではよくある光景。しかし問題はこの後だ。

リング下にある凶器を品定めするザ・グレート・ムタ(プロレスラー)のごとく、青はゆっくりと自軍のコーナーへ。するとセコンドの人間が、なんと行水皿(金属製のおぼん)を選手に手渡したではないか! それを持って、思い切り相手にバコーン! すると赤コーナーのセコンドも、負けじと行水皿を相手に投げつけ、リングの上は無法地帯に……。

その後、蝶野正洋ばりのケンカキックを赤が繰り出し、試合は激しい乱打戦へ。最後は赤が繰り出したロシアンフックと、青が繰り出したカウンターで両者ノックアウト。プロレスでもよくある「ノーコンテスト」での決着と相成ったのである。

ちなみに行水皿こと金属製のおぼんは、インターバル中、選手に水をかけたり飲ませたりする際に、リングが濡れないために椅子の下に敷くものである。

screenshot:YouTube loramos73
執筆:GO羽鳥