【実録】「あと数時間であなたは死ぬ運命だが、回避すれば13億円のチャンス」とメールしてきた予言者に「私はフリーザだ」と答えたら連絡が途切れた(その5)
seiya222

セイヤ氏の真の狙いが分からない。質問にも一切答えてくれない。スイングするような試合になっていないし、着地点が見えてこない。おそらくセイヤ氏も、どのように “フィニッシュ” するか考えていたのではないだろうか。以下のセイヤ氏からのメールには、そんな焦りも垣間見える。

【セイヤです。「イイヅカさん」から13億円を譲り受けるタイミングは数時間しかありません。それだけはしっかりと覚えておいてください。】

「運命とは常に動いているものです。なのでその運命というものしっかりと受け入れるには前から何度もお伝えしているように全て「タイミング」というものがあるんです。もちろん今までの死期の回避と同様に今回の「イイヅカさん」からの13億円の譲渡にはしっかりとした譲渡のタイミングがあります。

そのタイミングがさっき話したように「数時間」なんです。この数時間のタイミングを逃すことになれば全ての運命の歯車は狂い始めて、私がこの前お伝えしたような状況に陥ることは避けられません。

そうならない為に、私の予言どおりに事を進めるためにも必ず「イイヅカさん」に従われて円滑に13億円は受け取られてください。私が心配しているのはその「タイミング」だけなんです。」

──まるで進展がない。内容的には「あと数時間」と「タイミング」、それだけだ。とりあえずジャブを打ってみました的な、わりとどうでもいい内容である。試合を再び盛り上げるには、こちらからの攻めも必要だ。ということで私は以下のように返信した。

GO羽鳥「タイミングが重要ということですね。そして、とにかく私はイイヅカさんから13億円もらえるということですね! とても嬉しいです。今から仕事を辞める準備をしておきます。

ちなみに……イイヅカさんは東北地方周辺にお住まいとのことでしたが、もしかしたら来月あたりの週末を使って、私は東北に行くかもしれません! ちょうど他の用事がありまして、そのついでにイイヅカさんに会えたら、まさしく最高のタイミングだと思います。

イイヅカさんは週末とかお休みですかね……? 私、平日だと厳しいです。もし可能でしたら、イイヅカさんの連絡先をご存知でしたら教えてもらえますでしょうか……? 私が直接、イイヅカさんに連絡してみようと思います。」

──ズイズイ行ってみた。もう、オマエはいらん。私が直接「イイヅカさん」と連絡する。そのためなら、東北にも行ってやる。ある意味、セイヤ氏を焦らせるための1手だった。しかし、セイヤ氏は、相も変わらず、こんなメールを送ってきたのだった。

【セイヤです。刻々とその「タイミング」が近づいているようですよ。あなたもおわかりになりますか?】

「恐らく「イイヅカさん」からは既に13億円について譲渡する話はもう出されているでしょう。私があのサイトであなたと出会ったのも私の予言どおりです。そしてあなたに訪れていた死期を回避したのも1つの運命です。そしてイイヅカさんとの再会も同様です。

このイイヅカさんとの再会というものがあなたの人生を大きく変え始めるのです。今まであなたには一方的な連絡を何十通も繰り返しして参りました。そして直接、私はあなたへ連絡することにも切り替えました。

そして私の今まで残してきた予言の記録もお教えしました。私があなたと出会ったということをあなたの中で1つの過程として考えてもらえるようにして頂きたいと思っています。これが最終予言では決してないのです!

あなたはイイヅカさんから委ねられた13億円という資産で多くの人々を救う活動をされるんです。もちろんそれはある1つのきっかけからです。そのきっかけはあなたがイイヅカさんから13億円を受け取り終えた「タイミング」でお話をしようと思っています。」

──正直、カッとなってしまった。まるで進展しないメールの内容を見て、頭に血が上ってしまった。そんな状態で、私は「今まであなたには一方的な連絡を何十通も繰り返しして参りました。」を、「今まであなたは一方的な連絡を何十通も繰り返しして参りました。」と読み違えてしまったのだった。

そして……キラウエア火山のようにブチ切れまくる長州力のごとく、私はセイヤ氏に超攻撃的な返信をしてしまうのであった。単なる私の勘違いなのに。

GO羽鳥「タイミングが近づいているのは私も分かっています。会ったこともないですが、「イイヅカさん」の吐息を心のなかで感じます。ところで「あのサイト」って、どこのサイトですか? セイヤさんのブログでしょうか?

それはさておき、「今まであなたは一方的な連絡を何十通も繰り返しして参りました」というのは悲しいです。なんでそんなこと言うんですか! ひどいです! なんでセイヤさんは私の質問を無視するのですか? セイヤさんこそ、一方的な連絡しかしてくれないじゃないですか。

何様ですか。セイヤ様ですか。私を悲しませないで下さい。セイヤ様は星占い師かもしれません。でも私の戦闘力は530000です。セイヤ様の戦闘力はどのくらいでしょうか? 私を怒らせないで下さい。私を怒らせたら、地球なんて一発ですよ。」

──むろん、「戦闘力530000」というのは、漫画『ドラゴンボール』に登場する “宇宙の帝王” ことフリーザ様のことだ。宇宙最強の存在、それがフリーザ様だ! なお、このメールを送って以来、「星占いセイヤ」からの返信は一切ない。

ちなみに、すぐに私は「ハッ」と我に返り、「ついカッとしてドラゴンボールのフリーザ様であることを連想させる大変失礼なメールを送ってしまい申し訳ございませんでした。お返事ください。こんなことで13億円を無駄にしたくはありません!」と謝罪メールを送ってみたが、セイヤ氏からの返事は、いまだ来たらず……。試合終了である。

・もしも本当に私が大腸がんで死んだらセイヤ氏の勝ちだ

私は、なんてことをしてしまったんだ。まれに見る好敵手も逃がしたうえに、13億円も逃がしてしまった。「釣り」にたとえるならば、強く引きすぎて獲物を逃してしまったような感じである。だが……これもまた「釣り」の醍醐味であろう。

しかし、今でも心にひっかかるのは、私が「2年後に大腸がんで死ぬ」という不吉な予言である。もしも本当に私が2年後に大腸がんで死んだら、この勝負はセイヤ氏の勝ちだ。今のうちから予言ブログに名指しで書いておくとイイだろう。

でも最後に、私もひとつだけ予言をしておきたい。星占いセイヤ氏の予言ブログは、そのうち自らの手で削除されることになるだろう、と。なぜならば、“私に届いた「イイヅカさん13億円メール」と同じ文面のメールを受け取っている人が、私のほかにも存在する” ことが、後の調査で判明したからである。

つまるところ、セイヤ氏の予言は大ウソだったのだ。無差別的に、いろんな人に「イイヅカさん13億円メール」を送っていたのだ。そして、そのメールに説得力を付けるために存在するのが、「予言ブログ」なのだ。そんなこと、最初から分かっていたが……。

──セイヤさん、星占いセイヤさん。羽鳥です。間もなくあなたのウソは誰にも通用しなくなります。刻々とその「タイミング」が近づいているようです。でも決して恐れないでください。心の中で、例の呪文「セイノセイ〜」を3回繰り返して下さい。しかし残念ながら……この運命は回避できないようです。覚悟はできていますか?

Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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