奈良は今、国内旅行で最もトレンドな場所だと言っても過言ではない。あのせんとくんがキャラクターを務める「平安遷都1300年祭」で、メインの平城京跡をはじめ、県内各地でさまざまなイベントが行われているのである。

そんな奈良を訪れるなら、絶対に外せない観光スポットといえば? そう、東大寺や春日大社などの世界遺産に指定されている文化財がある奈良公園である。ここにはたくさんのシカが棲んでおり、いたるところで歩くシカや寝そべるシカを見かける。実はこのシカ、実は国の天然記念物にも指定されているほど貴重な動物。故意に傷つけてしまった場合、文化財保護法違反によって5年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金も科せられる。

そんなシカを大事に保護する団体が設置する、誰でも気軽に募金できる「自動販売機」があるのをご存知だろうか? その自動販売機が置いてあるのは、春日大社そばの駐車場。自動販売機2台のうち1台はよく見ると黄緑色。サントリーのあの緑茶をイメージしたものかと思いきや、横にシカのイラストが大きく描かれてあった。

その自動販売機では普通のドリンクが売られているのだが、よくよく見ると、シカのイラストがパッケージになっている缶を発見。しかも「10円」「50円」「100円」「500円」「1000円」とある。要するに、お金を入れた状態でボタンを押すと、その金額が募金される仕組みなのだ。

募金活動をしているのは「奈良の鹿愛護会」。公式ホームページによると、ケガをしたシカを治療したり、公園内をパトロールしたりするなどの活動を行い、毎年10月には恒例の「鹿の角きり」も開催しているとのこと。

しかし、シカの募金のためだけに自動販売機を利用する人は少ないような気が……。120円のドリンクで150円を入れて30円のお釣りを募金する、というケースならまだ利用者がいそうだが……。

ちょっと驚いたのは、募金のボタンに500円や1,000円があったこと。果たしてそれらのボタンが使われることがあるのだろうか? とにかく、珍しい自動販売機なのは間違いないので見学がてらに募金してみてはいかがだろうか?

Photo by Rocket News24 Staff / 本誌記者撮影

 
▼ 5種類の金額で募金できるボタン。「商品は出ません」を見逃さないで!

 
▼ 自動販売機側面に描かれたシカの大きなイラストが目印