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先日、秋葉原に出向く機会があった。銀座に取材に出向いた帰り、何となく秋葉原の駅に降り立った。折りしも激しい雨が降っていたため、普段よりも出歩いている人の数が少ない。似たような通りをぐるぐると回っていると、声高にこう叫ぶ人が、傘をさしてビラ配りをしている。

「マジコンいかがッスか~!」放っておいて通り過ぎようとしたが、気になる。とぼけてこう聞いた。「マジコンってなんですか?」ビラ配りしていた男性は、歳の頃20歳前後だろか。小太りで肌荒れがひどい。「自分は分からないから、あのビルの奥の階段を上って、2Fに行って下さい。そこに詳しい者がいるので」指差した先は、そのすぐ傍のカレー屋の建物。表には、堂々と「マジコンあります」と手書きの看板が立っている。

指定されたカレー屋の建物に入ると、本当にこの先に階段があるのかと思うほど暗かった。中に入って行くと、右に折れる形で階段がある。2階には本当に何かあるのだろうか。物置きにするにはぴったりな階段。壁も階段も塗装さえ施していない。

上がってみると、そこには小さなワゴンがあって、男が1人いた。店舗というにはほど遠く、さっき引っ越して来て、今販売を始めたような様相。ワゴンがあって照明がついているだけだ。エアコンも起動している。

「これからお店を作るところなんですよ。今はまだ工事中で。オープニングセールでお安くなってます」

開店していないのに、オープニングするセールをする店など聞いたことがない。

そこに立つ25~6歳の男に先の質問をぶつけてみた。

記者:「マジコンって何ですか?」

店員:「マジコンはニンテンドーDSとかの、パーツの一種です」

記者:「DSがないとマジコンは使えないんですか?」

店員:「ええ、こうやってDSに入れて、使うんです。ネットでソフトを入れると、もうソフトを買わなくていいんですよ」

割とまともな返答が帰って来た。

記者:「じゃあ、DSがないと使えないものなんですね。分かりました。また来ます」
そう言って立ち去った。

オープニングセールと称していたが、パッと見は、店舗内装の工事は着手されそうにない。そう長く、あの場所で販売するつもりはないのかも知れない。現在、『マジコン』は不正競争防止法の対象と考えられるようになってきている。但し、任天堂やスクウェア・エニックスなどのゲームメーカー55社が提訴している裁判は、特定の輸入・販売業者を相手取った民事差止であるため、他の業者の販売に関しては刑事罰が与えられない。従って違法とは言い切れない状態が続いている。しかし、楽天やヤフーなどのオークションサイトはマジコンの出品を禁止しているため、違法性があると考えられるようになってきている。メーカーとマジコン輸入・販売業者の攻防は今しばらく続きそうだ。

▼配布されていたチラシはコレ。所在を明かすものが何もない maji2

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