最近はさまざまな種類の「専用しょう油」が販売されている。代表的な玉子かけご飯専用しょう油から、アイス専用、カレー専用など、ありとあらゆる料理用のものが登場している。しかし残念なことに、「牛丼専用しょう油」は存在しないのだ。国民食としてすっかり浸透し、多くのファンがいるはずの牛丼なのだが。もしかしたら、記者(私)が知らないだけかもいしれないのだが、いまだかつて見たことがない。

そこで、もっとも牛丼に相応しいと思うしょう油を発見したので、実際に大手チェーンの牛丼にかけて食べてみた。そうしたところ、このステーキ用「フォンドヴォーしょう油」は、吉野家の牛丼と相性がよく、ちょっとこれは後戻りできないんじゃないか? と思うほど旨くなったのである。

この商品は土佐しょうゆやだしつゆの製造販売を行っている、大東食研株式会社が取り扱っているものだ。同社のホームページでは、ぽん酢やすき肉の割りしたなど、比較的家庭でも馴染みの深い商品を紹介している。しかしひとつだけ他では見られないユニークな商品を掲載している。それが「フォンドヴォーしょう油」だ。

フォンドヴォーとは、仔牛からとった出汁のことである。肉や野菜の旨みをお凝縮したフォンドヴォーと共に、かつお節の香りと旨みを加えて、洋風しょう油に仕上げている。そのままの味を見ても深いコクが堪能できる。これを、吉野家・すき家・松屋の牛丼にかけてみた。

そうしたところ、3社の牛丼のうちでもっともおいしいと感じられたのは吉野家の牛丼であった。3社のなかでもっとも甘めの味付けをしている吉野家の牛丼は、フォンドヴォーしょう油との相性がピッタリ。しょう油が甘い肉を引き締めて、さらにコクを加えている。すき家・松屋もそれぞれおいしくはなったのだが、味の際立ち方が弱く、「驚くほどおいしい」とは行かなかったのだ。

これはやはり、吉牛の甘さがあってこその味のマッチング。クッキリとした味の稜線を垣間見ることができ、「旨くなりすぎ!」と思うほど旨くなりすぎたのである。

正直、しょう油をかけた後の味がクセになりそうなので、今後記者(私)はフォンドヴォーしょう油を携行するかもしれない。少なくとも以前の吉牛には戻れない、戻りたくない! それにしてもこの味の飛躍は、元々の味が物足りないと感じていたためだろうか?

写真:Rocketnews24

▼ 吉野家・すき家・松屋の牛丼で試してみた。結果は吉野家が旨くなりすぎた