・ディナーはコース
夕食は前菜、お造り、煮物、口直し、洋皿、お食事、そして水菓子の順で提供された。順番に写真でお見せしていこう。まずは前菜だ。上段真ん中の「真鯛のムース」と、下段左の「油鰈の味噌焼き」が、個人的には特に美味かった。
そしてお造り。刺身は外せない。アジが2品あるのは、食感の違いを楽しんで欲しいからとのこと。山葵(わさび)は自分ですり下ろすスタイル。
煮物は「金目鯛の煮つけ」。味が染みていて美味いことは、きっと見た目から伝わるだろう。
調理の様子は見ることができる。
そして出てきた洋皿の「牛ロースステーキ」。
ここにきて「お食事です」と、ご飯と止め椀、漬物などが。
最後はデザートでフィニッシュ。一品ずつは見ての通り少な目だが、最終的には程よく満腹になる。お茶が「ぐり茶」なる静岡県産のものらしく、独特の風味で美味かった。なお、仕入れの都合で内容が変わることがあるそうだ。
・朝食はバイキング
翌朝の朝食もお見せしよう。バイキング形式となっており、和食も洋食も幅広く揃っている。
フレンチトーストとおにぎりを主食にしつつ
イカの刺身を食べたりすることも可能だ。選択肢はかなり広い。
バイキング形式というと、感染症予防の観点から心配になる方もいるかもしれないが、その点は徹底されていた。料理を取りに席を立つ際にはマスクの装着がマストとなり、料理を取る際は手袋をはめる。そして料理を取る順路は一方通行。手袋は、手で触れずにはめられる装置が設置されているぞ!
ちなみに窓際の席は眺めが良い。
・コンセプト
施設と食事はおおむねこんな感じだが、もう一つ触れておくべきことがある。それは、「JPリゾート 伊豆高原」に宿泊した際に、近隣で得られる観光体験についてだ。今回のリニューアルについて「きっと、その土地が好きになる」というコンセプトを日本郵政は掲げている。
つまり自社の宿泊施設の売り上げアップだけでなく、周辺の観光も共に盛り上げていこうというスタンスなのだ。具体的には、ジオガイドや近隣の観光施設のスタッフを招き、宿泊者に対して自由参加な「ロビートーク」という形式で、やや積極的な観光案内を行う予定らしい。
今回は城ヶ崎海岸近くにある「ニューヨークランプ&ティファニーミュージアム」から、ティファニーランプの歴史や魅力、簡単な製法についてのトークと
「伊豆半島ジオパーク」の伊東ビジターセンターからは、大室山や城ヶ崎海岸など近隣のジオサイトについての地質学的な、また生物学的な見どころについてのトークを拝聴させて頂いた。これらは一例にすぎず、グランドオープン後は多彩な分野の「ロビートーク」を考えているそうだ。
当初はぶっちゃけどちらもそこまで興味は無かった……というか、前者についてはそもそもティファニーランプというモノを知らなかったため、興味を抱く以前の問題で、後者についてはちょっとサイエンスなテンションではなかった。が、いざ聞いてみると結構興味深い。
ランプについては普通にサンプルの写真を見ていても綺麗だし、めちゃくちゃ映えそうなので写真を撮りに行きたくなる。また、ステンドグラスの作り方も、素直に「こうやって作るのか」と驚きがあった。
ジオ関連については、中々ガイドブックではフィーチャーされていない見どころもあることがわかり、ガイドツアーに参加してみようと思わせるものがあった。個人的には、アニメで見た『ゆるキャン△』や、漫画で読んだ『あまんちゅ』に登場したジオスポットが多数あったのも、興味を惹かれた要因かも。
是非とも体験して本当に「その土地が好きになる」か試してみたいと思っていたら、トーク後に「ニューヨークランプ&ティファニーミュージアム」の方からご招待頂いたので、これ幸いと翌日に行ってみることに。
・実際に観光してみた
ということで、「JPリゾート 伊豆高原」はここまで。ここからは実際に体験できる、周辺観光の一端を皆さんにお伝えしよう。はたして筆者はこの土地を好きになることができるのだろうか?
目的の「ニューヨークランプ&ティファニーミュージアム」までは、徒歩の場合「JPリゾート 伊豆高原」から15分~20分ほどかかる。距離そのものはたいしたこともなく、行きはほぼ下り坂なため楽だ。しかし、帰りはその分上り坂が続いてハードだったので、車かタクシーが楽だと思う。
メジャーな観光スポットである城ヶ崎海岸や門脇吊橋なども同じ方向だ。というかミュージアムの敷地の横に、それらのジオスポットに続く道が通っている。全て一緒に見て回ることができるぞ。
ミュージアムの入園料は大人1200円。敷地内にはまずフラワーパークが広がっており、普通に景色がいい。
そして建物の中にはメチャクチャ綺麗なランプの世界が。
中には過去にオークションにて3億とか4億とか、その辺りの凄まじい値段で落札されたモノもあるという。しかも写真撮影は自由だというから驚きだ。普通この手の施設では、だいたい撮影NGだったりすると思う。
世界一ガラスをドラマチックに見られる場所の一つな可能性もワンチャン。インスタグラムやTwitterなどで人気の、エモい系な写真をアップしてる人が撮ったら、死ぬほどバズるネタではなかろうか。
これはガチに見応えがある施設だ。来る前はどこかで「ちょっと興味湧いたけど、でもガラスでしょ? 宝石じゃなく」みたいなことも思っていたが、それはあまりに愚かだった。ティファニーランプには実に奥深い魅力があり、ステンドグラスの本気を見せられた気がした。
ロビートークにて作成方法を聞いていただけに、目の前にある綺麗なランプがいかに手の込んだモノかもなんとなくわかる。単に見るよりも、一歩踏み込んだ理解につながっているのは確かだ。そして、踏み込んだ理解があるからこそ、より面白い。
ここから城ヶ崎海岸や吊橋までそう遠くないが、残念ながら予定があったため筆者は撤収。ここまで来てジオスポットを全く見ずに帰らねばならないのはあまりに無念すぎる。次は仕事ではなく、余裕がある時にゆっくりと数日かけて見に来たくなった。
なるほど、「JPリゾート 伊豆高原」のコンセプトと施策は有効と言えそうだ。ぶっちゃけ、「そうだ、伊豆に行こう」的な感じで予備知識も当ても皆無なままフラフラと訪れたとしても、全てホテル任せで宿泊だけでなく周辺の観光も楽しめるとすら言える。
伊豆高原というのは全体的に宿泊施設の単価がそこそこ高いものだが、リニューアルしたばかりの「JPリゾート 伊豆高原」は、値段的にもクオリティ的にもかなり狙い目だと思う。伊豆への旅行の際には、宿泊先として検討してみてはいかがだろう。
参考リンク:JPリゾート伊豆高原、ニューヨークランプ&ティファニーミュージアム、伊豆半島ジオパーク
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
▼ロビー前テラスからの伊豆の日の出はガチ。提供写真とかじゃなくマジにこれ。