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音で聴く本『オーディオブック』がビジネスマンを中心に徐々に広がりを見せているのをご存じだろうか。昔に比べてインフラが整ってきたことも理由の一つのようなのだが、もっと大きな理由はオーディオブック、そのものの魅力にあるようだ。

例えば、アルファブロガーでもある株式会社ロケットスタート代表の古川健介さんは『オーディオブック』の愛用者の一人であるが、古川さん曰く「読むよりも聞くほうが頭に残りやすく!とっても効率的!めちゃくちゃいいですよ!」と太鼓判を押す。一度始めると病みつきになるようで、今ではジョギング中にオーディオブックは大活躍しているんだそう。

もちろん、『脳が良くなる耳勉強法』の著者・上田渉さんもオーディオブックの超ヘビーユーザー。日本最大のオーディオブックサイトFeBeも運営しており、オーディオブックの普及へ日夜努力されている。2009年6月15日に出版された『脳が良くなる耳勉強法』もオーディオブックの魅力も十分に描かれており、読み応え十分!ということで、今回は著者の上田さんに色々と本について聞いてみたゾ!

1、自己紹介を詳しくお願いいたします。

株式会社オトバンク代表取締役社長の上田渉です。1980年神奈川生まれです。

「聞き入る文化の創造」「目が不自由な人たちへのバリアフリー」「出版文化の振興」を企業理念として、2004年に株式会社オトバンクを創業しました。

現在オトバンクでは、著作物の音声化・管理および、日本最大のオーディオブック配信サービス 「FeBe(フィービー)」でのオーディオブック販売と、40万人が利用するオンラインブックガイド「新刊JP」を中心とした書籍のプロモーションを行っています。

起業のきっかけは、祖父が緑内障で失明してしまったことでした。私の祖父は元々本が好きで書斎も持っていたのですが、病気をしてからは本を読むことができず、つまらなそうに日々を送ることが多くなってしまいました。そんな祖父を見て、最初は目の不自由な人のための朗読会を開くような非営利組織(NPO)をつくることを考えました。しかし、より多くの人々に音に聞き入る文化を広めたいと考え、NPOではなく起業という方法を選び、オトバンク創業に至りました。

現在は出版業界の振興を理念として掲げ、オーディオブックを文化として浸透させるために、日々地道に活動を続けています。

2、この本の概要と読みどころを教えてください。

勝間和代さんや神田昌典さんを始め、海外ではリチャード・ブランソンさん(ヴァージングループ会長)、トム・クルーズさん(俳優)など多くの有名な方が実践してきた「耳からの勉強法」について、脳科学の見地からその効果を読み説いた理論の部分から、実際にオーディオブックを使った勉強法まで、『耳勉強法』の全てを公開した一冊です。私自身、高校3年生の時には全国模試での偏差値が30だったのですが、音声を活用した勉強法を駆使し、2浪の後、東京大学に合格したという経験があり、自身の経験も踏まえ本書を書かせて頂きました。

読みどころは、「聴覚の重要性」を説明している第二章、それから第三章「耳勉強法」の具体的なノウハウについての部分ですね。オーディオブックを使用する際のiPodの使い方など、実用的なテクニックが満載なので、ぜひ読んで欲しいと思います。

3、どんな人に読んで欲しいですか?

自分が変われるきっかけを探している人、また、変わろうとしてこれまでどんな勉強法を試してもうまくいかなかった人に読んで欲しいと思います。本を「読む」のは苦手でも、音楽などを「聞く」ことは苦ではないという人はきっといると思うのです。私自身も超劣等生で、「耳勉強法」に救われてきた人間なので、「自分も頑張れるかもしれない」と感じてもらえればいいですね。

4、上田さんが個人的にお勧めするオーディオブックを教えてください。

『ピーター・F・ドラッカー 経営論』です。ハーバード・ビジネス・レビューのドラッカーの論文を一冊にまとめ、それの各章をオーディオブックにしています。50年前の論文にもかかわらず、今なお新しさが失われないところに、ドラッカーの凄味を感じます。特に、第一章『経営者の使命』はお勧めです。

5、オーディオブックを聴きながらすることは何が多いですか?

主に移動中に聴いたり、仕事をしながら聴いたりということが多いです。拙著『脳が良くなる耳勉強法』の中にも書いていますが、聴覚が空いている時間を「すきま時間」と呼び一日の中でどのくらい「すきま時間」があるかを調べてみると、私の場合8時間にもなります。営業をしているので移動の時間も多いですし、仕事でもメール処理など事務的な作業の場合はオーディオブックを聴いています。

6、次に書きたい本のテーマを教えてください。

まだ、次に本を書くかも決まっていないのですが、仮に、書かせていただくチャンスがあるのであれば、耳勉強法の方法論を活かし方などを、より具体的なテーマに沿って書いてみたいな、とは思っています。

7、上田さんの今後の展開について教えてください。

今後も引き続き、オーディオブックの普及を続けていきたいと考えています。現在オーディオブックは、ビジネス書や自己啓発関係の書籍を中心に広がりつつありますが、今後はそれだけでなく、広く文芸作品やエンターテインメント性が高いオーディオブックも普及していくと思います。そうすることで、ビジネスパーソンだけが使うものではなく、より広いユーザーが利用しやすい環境になっていくと考えています。弊社は、制作から配信サービスの「FeBe」による配信まで、オーディオブックのインフラを提供し、使っていただける方が増えていくことで、今後も出版業界の下支えに貢献していきたいと思っております。

-ありがとうございました!

■参考リンク
比較的インターネットが好きな人のためのブログ 上田渉 日々の思索
ジョギングしながら情報を取り入れて、頭も体も健康になろう!~ジョギングをもっと楽しくする2つのツール~

脳が良くなる耳勉強法
脳が良くなる耳勉強法

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