【真っ黒】ドラマや映画に出演して時給2000円!? anの「モデル・俳優・エキストラ」募集の実態がこちら(その2)

風雲急を告げるような空もよう。面接当日、送られてきた住所をグーグルマップに登録して会場を目指す。太い道から入り組んだ路地へ。閑静な住宅街だ。本当にこんなところに芸能事務所があるのか? 

ここや……。グーグルマップが指し示す住所に到着した。アパートが立ち並ぶ周辺の景色に馴染む何の変哲もないマンションのように見える。しかし、よく見てみると駐車場には高そうな車が停まっていた。会場は1階である。コソコソするのも怪しいので正面から堂々と近づいていくと……

エキストラ受付の案内貼り紙を発見! どうやらここで間違いないようである。約束の時間より少し早いがワクワクでとても待ちきれない! 失礼しま~す!!

応対してくれたのは若いお兄さん。「エキストラの面接で……」と伝えると面接コーナーの椅子に通してくれた。部屋の中は、おそらく15畳弱くらいのスペース。「おそらく」と書いたのは、面接コーナーと事務所部分が衝立(ついたて)で仕切られているからだ。

その衝立にはいくつもの映画ポスターが貼られている。所属俳優が出演しているものだろうか? そして、2つある面接コーナーの片方では他の人が説明を受けているもよう。やっぱり、人気のバイトであることは間違いないようだ。

机には就業について注意事項が書かれた紙。「これに目を通しておいてください」という感じで、お兄さんは奥に消える。注意事項には要約すると「紹介した仕事をバックれたりしないこと」や「収集した個人情報は仕事以外では使いません」的なことが書かれていた。読んでいて気になったのが4つ目に書かれている注意事項。

「4. この誓約書に記載されている事柄を遵守しなかった場合は、貴社からいかなる処分を受けても異議は申しません。また、記載されていない事柄以外にも私の勝手な言動により、貴社や取引先に損害が及んだ場合は貴社の判断でいかなる処分を受けても異議申し立ては致しません」

──口調の強さがちょっと怖い……と、その時「お待たせしましたー」と声が聞こえた。いよいよ面接官が登場! 私の面接官はアラフォーくらいの男性である。慣れた口ぶりでスラスラと話を進めていく男性。

どうやら、会社の運営する仕事情報サイトに募集中の仕事が投稿され、そこにエントリーすることでクライアントから依頼が来るようだ。

登録には、名前・住所・電話番号・勤め先・体重・身長などのプロフィールをシートに記入する必要がある。そこで、まずは応募前から気になっていたことを聞いてみた。


中澤「仕事を受けるためにお金がかかることってありますか?」

面接官「? 言ってる意味がわからないんですが……」

中澤「例えば、登録料とか、仕事を受けるためにレッスンが必要で、そのレッスンにいくら必要とか」

面接官「そういったことはありません

中澤「ではあくまで御社から仕事をもらって、私がそこに行き、給与をもらうという形だけということですね」

面接官「そうです。もちろんクライアント側の選考もありますから、必ず依頼が来るわけではありませんが」

中澤「なるほど。すみません……注意事項の4つ目の項目がちょっと怖いんですが」

面接官「ああ……これは仕事を受けたのにドタキャンする人が多くてですね……ちょっとキツめに書かせてもらってます。


応募後、依頼が来た段階で予定が合わないということで断るのは全然OKなんですが、クライアントからの依頼を1度引き受けた上で、当日とか前日にドタキャンされると困るので、そこだけは責任を持ってやってくださいということです」

──普通だ!! 説明を受けた感じ、本当に派遣バイトのようである。ともかく、これ以上は実際に仕事に応募してみないとわからないので登録してみた

・お仕事情報サイト

登録後送られてきた情報サイトのURLを見ると、CMやドラマ、映画のエキストラや、ゲーム声優などの案件が並んでいる。ギャラはマチマチだが、基本的には日給8000円を超えるものが多く、募集で書かれていた内容と大きくは違わない。また、予定の場所や時間帯などの詳細も細かく書かれていた。

応募締め切りは大体本番の10日くらい前で、合格者には締め切り翌日に連絡が来るという。本当にあるんだな。エキストラで時給2000円。そこで声優とエキストラ2つに応募してみたところあっさり落ちてしまった

まあ、募集枠1人とかだし、そう言えば面接官も「最初は大人数のエキストラしか受からない」という感じのこと言ってたなあ。

ちょっとイメージが違ったのは、思っていたより更新が少ないこと。2019年2月から3月中頃まで見てみたが、1度更新されると大体1週間から10日間くらい案件の更新がない。大人数の案件となるとさらにレア。

とりあえず、刑事ドラマの野次馬に応募しといたが、これで稼ぐとか有名になるというのは相当ハードルが高そうである。趣味も兼ねた副業なら良いかも? もし、採用されることがあればまた報告したい。

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.