【検証】「ディズニーがトラウマな男」と「ディズニーマニア」が一緒に東京ディズニーシーに行ったらこうなった(2ページ目)

中澤がややキレ気味という、最悪の空気の中から始まったディズニーマニアによる東京ディズニーシーツアー。だがしかし、聖地に足を踏み入れた田代はご機嫌……なんてもんじゃない。実は1週間ほど前にプライベートでディズニーシーを訪れていたらしいが、まるで初めて念願のディズニーに訪れたんじゃないかってくらいウキウキしている。


田代「さあ、まずはお着換えからです☆ 冒険とイマジネーションの海に出かける準備をしましょう! せいじさんはどのキャラクターがお気に入りですか?」

中澤「ジャファーです

田代「うーん、残念ながらジャファーのアイテムは見当たらないな……。あ、せいじさんコレはどうですか? せいじさんはワンちゃんが好きですよね? 101匹わんちゃんの帽子はモコモコしてて温かいですし、きっとせいじさんに似合いますよ」

中澤「ああ……任せます」


というわけで、田代の言うがままにコーディネートされる中澤。101匹わんちゃんの帽子に青いディズニーキャラのトレーナーは、ズバリ “海” がテーマだそうだ。


田代「うわー、とってもよくお似合いですよ、せいじさん! これで冒険の準備はバッチリですね!!」

中澤「意外と嫌いじゃないかも。というか、帽子があったかい」


・マーメイドラグーンからスタート

まずやってきたのは、リトルマーメイドのエリア「マーメイドラグーンシアター」だ。この日のために「リトルマーメイド」と「アラジン」だけはDVDで予習してきたという中澤だが、果たして彼の心にアリエルの歌声は響くのだろうか?


田代「マーメイドラグーンは、トリトン王が人間のために作ったテーマポートです。海にいるみんなで人間を楽しませようとしてくれているんですね。なので、ここは海の中……。入口から先に進むと息ができなくなるかもしれませんよ☆」

中澤「いやできるでしょ」

サンジュン「どういうことですか?」

田代「おやおや? 息ができますね? なぜだかわかりますか? 実は入口にいるトリトン王が僕らに魔法をかけてくれたからなんです☆ さあ、先に進みましょう!」


・リトルマーメイドのショーを見ても……

トリトン王の魔法にかかった田代はエネルギー全開。入園してわずか30分で早くもテンションはフルスロットルだ。一方で中澤のテンションはなかなか上がらない。リトルマーメイドのショー「キング・トリトンのコンサート」のコンサートを見ても感心はしても感動までには至っていないようだ。


サンジュン「せいじくん、どうだった? アリエルの運動量めっちゃ凄くなかった?」

中澤「うーん、確かに動きはすごかったですね。良くできてた。ただ “ライブ感” がいまいちだったかなぁ」

サンジュン「ライブ感?」

中澤「なんというか、僕も初めてだからどこまでノッていいのかわからなかったし、参加というよりは観賞してしまったというか。アメリカとかならメッチャ盛り上がると思うんですけど、なんか……見入っちゃた感じですね」

サンジュン「言わんとしていることはわかる。しかも、せいじくんはバンドもやってるからライブ感に厳しいのかもね。ところで田代さんは……田代さん?」

田代「自分……」

サンジュン「はい?」

田代「泣きました

中澤「え、どこで?」

田代「アリエルが登場するところで、夢と魔法ってやっぱりあるんだ……って。何回も見てるんですけどね、でもなんだか勝手に涙があふれてきちゃって……」

サンジュン「想定より泣くのが遥かに早い」


ちなみに中澤はショーよりも、マーメイドラグーン内にある「アリエルの部屋」や「アースラのダンジョン」が妙に気に入ったようだ。むしろショーよりも長い時間、隅々を見渡していた。


中澤「僕はこっちの方が好きですね」

サンジュン「よく出来てるよね。でも子供の遊び場というか、アトラクションではなくない?」

中澤「いや、二次元で見たものがこういう形で立体化されるのか……すごい精密ですよ」

田代「いいところに気付きましたね! ここマーメイドラグーンは、まさにアリエルの世界がそのままに再現されてるんです。例えば、ここは海底なので直線のものがほとんどないんですよ。ベンチや手すりをよく見てください。すべてウネウネと曲線になってるでしょ☆」

中澤「こういうところはスゴイ」


・アラジンのアトラクションへ

お次にやってきたのは、アラジンのショー「マジックランプシアター」だ。先述の通り、中澤はアラジンを観て、敵役のジャファーに感情移入している男。さらにランプの精「ジーニー」には特に納得がいっていないようである。


サンジュン「来たよ、アラジン」

中澤「来ましたね。でもジーニーか……。何度考えてもあいつには納得がいかない。ジャスミンやアラジンがジャファーを嫌うのはまだわかるんですよ。でもジーニーはランプの精ですよ? 中立であるべきじゃないですか?

サンジュン「言われてみればそんな気もするね。ランプの精なら好き嫌いがあったらおかしいかもね」

中澤「ですよね? あいつ、ノリだけでジャファーを嫌ってるように見えるんですよ。みんなが嫌いだから俺も嫌い、みたいな。ネット民かよ

田代「せいじさんの視点は斬新でした。僕はそういう見方があっていいと思います。ヴィランズ(敵役)にはヴィランズの物語がある……。嫌われ役のジャファーに心優しい味方ができて、きっとウォルトも喜んでいるハズです!」

サンジュン「前向きすぎる

田代「さあ、ここマジックランプシアターは、ジーニーが “自分の魔法でみんなを楽しませたい!” と願ってできたアトラクションです。このエリアには隠れミッキーや隠れジーニーもいるのでぜひ探してみてくださいね!」


マジックランプシアターは3Dメガネをかけてショーを鑑賞するアトラクションである。ジーニーの他、意地悪なマジシャン「シャバーン」が中心になって繰り広げられるパフォーマンスは、中澤の目にどう映ったのだろうか?


サンジュン「せいじくん、どうだった?」

中澤「僕、やっぱりジーニーダメですわ。あいつ、今回も完全にノリだけでシャバーンを嫌ってる。だってシャバーンがご主人様なんですよ? 嫌ったらダメじゃないですか?」

サンジュン「たしかに」

中澤「あと、シャバーンの演者さんが素直に良かった。引き込まれるというか、ライブ感がありましたね」

サンジュン「出た! ライブ感!!」

中澤「というか、このショーはシャバーンありきのショーでしょ。いや、良かったですよシャバーン」

田代「せいじさん……」

中澤「はい?」

田代「自分、感動しています。そうなんです、このショーに欠かせないのがシャバーンなんです。ジャングルクルーズのお兄さんと同じくらい、マジックランプシアターを楽しめるかどうかはシャバーンにかかっているんです。よく1回で気付いてくれました!」

中澤「ちょっと」

田代「多くの人はジーニーに魅了され、ショーが終わる頃にはシャバーンの存在を忘れてしまう……。そう、シャバーンは日の当たらないキャラクターなんです。そのシャバーンをここまで褒めてくれるなんて……せいじさんはなんて心の温かい人なんだ……!

中澤「そ、そうですかね?」

サンジュン「そうじゃないでしょ。価値観がメチャクチャ


徐々に田代のペースに引き込まれ、なんだかんだ言いながらも東京ディズニーシーを楽しんでいるように見える中澤。ただ、まだ心の底から感動しているとは思えない。奇跡は起きていないのだ。

だがしかし、ディズニーシーを去る最後の最後で奇跡は起きた──。果たして夜のディズニーシーで何が起きたのか? ディズニーマニアが、そして東京ディズニーシーが起こした奇跡とは? 気になる続きは最終ページへ急げ!

参考リンク:東京ディズニーリゾート
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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