元の持ち主のプライバシーも考慮しつつ、全7枚の写真を掲載したい。願わくば、この写真に写っている人へ、この写真データが届くことを祈りながら。

・1枚目

まず1枚目は、現代アートのような1枚だった。光漏れの影響だろう。しかし、これはこれで、オシャレである。


・2枚目

2枚目もまた、光漏れの影響からか、全体的に黄色い1枚。


・3枚目

3枚目になると、紫一色。


そして……


・4枚目

4枚目の写真の3分の1で、やっと被写体となる人物が写っていた。プライバシーを考慮し顔にはボカシを入れておいたが、「メガネのお姉さん」が写っていた。


・5枚目

5枚目は、光漏れの影響も少なく、最も情報量が多い1枚だった。場所はどこかの住宅街。写っている5人は、おそらく家族であろう。おばあちゃん、メガネのお姉さん、小学校高学年と思しきお兄さんと、小学校1〜2年生くらいの女の子、そしてローラースケート姿の小さな子が写っていた。

特筆すべきは、日付けがバッチリと記録されていること。1987年3月21日の1枚であることがわかる。1987年といったら、今から約31年前。いま私は39歳なので、8歳かそこら……つまり、小学校1〜2年と思しき女の子と私は ほぼ同学年かと思われる。そういえば、このくらいの年齢のとき、ローラースケートが流行っていた。光GENJIな時代だった。


・6枚目

6枚目は、光漏れなのか、何の原因かよくわからないが、別の写真(シーン)も1枚の中にグッチャグチャに写り込んでしまっている不思議な1枚だった。被写体は前の写真にも写っていたチビッコ2人。おそらく兄弟(姉弟)の関係であろう。2人ともヘルメットに膝パット完備のローラースケート姿だ。


・7枚目

7枚目、最後の1枚もまた、兄弟の写真だった。お姉さんは、前歯が抜けているので小1〜2年かと予想する。私もその頃、歯が抜けていた。同じ時代を生きていた。なんとも言えぬ親近感。なんだか本当に懐かしい。私も姉とこうしてローラースケートで遊んでいたっけなぁ……なんて思い出しながら、写真の兄弟に思いを馳せた。


──写っていたのは全7枚。31年もの間、『OLYMPUS TRIP JUNIOR』というカメラの中で眠り続けていたフィルムには、在りし日の幸せそうな家族写真と、楽しげなローラースケート兄弟の写真が入っていた。それはまるでタイムカプセルのように。

不思議と、あの当時の “空気” や、“香り” も思い出した。私は1987年3月21日に何をしていたのだろう……とも考えた。もしかしたらこの兄弟と同じように、父親が買ってきてくれた防具に身を包み、姉と2人で、やたらとガーガーうるさい「靴に付けるタイプのローラースケート」で遊んでいたのかもしれない。

最後に。もしも、この顔ボカシの写真だけで、「これは間違いなく自分の写真だ!」と思う人がいましたら、ぜひとも私に連絡してください。きっと、カメラ本体にも、そしてまわりに写っている風景にも、記憶があるかと思います。

興味本位でのイタズラ防止のため、その当時の顔写真なども後ほど見せて(送って)いただき、間違いなく「同じ人だ」と判断できたら、この思い出写真の修正前データをお送りしたいと考えています。『駄カメラ大百科』に書いてあった、「持ち主に届くかもしれない」が現実になることを願って。

参考リンク:Amazon「駄カメラ大百科」
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼こちらが我が愛機の駄カメラ「1円で買ったカメラ」である

ライター石井くんの愛機(駄カメラ)は、「現場監督」だ