先日、水と塩だけでスマホ充電できる『マグネ充電器』というものがTwitterで話題になっていた。科学凄いな。もはやスマホを充電するのに電源がいらないどころか、水と塩でできてしまうのか

と全く理系ではない私(中澤)は思ったわけだが、いや待て待て。だって水と塩って言ってしまえばただの塩水やん。ということは無人島でも海水を利用すれば永久にスマホ使えるってことやん。本当にそんなことあるのだろうか? そこで真相を確かめるため、商品を購入してみることにした。

・該当の商品

その商品はAmazonを検索するとすぐに出てきた。STAYERというメーカーの「SH-GDMC-MB」なのだが、そもそも、マグネ充電器というネーミングのものがこのメーカー以外には見当たらない。ちなみに、Amazon価格は1万780円。その能力のわりに安い気がする。というわけでポチーッ!

・発電してみた

届いた箱にも確かに「水と塩だけでスマホを充電」と記載されている。それどころか、ランタンや懐中電灯としても使えるようなので、ますます無人島に持っていくもの選手権において優勝に近づいたと言えるかもしれない。


箱に記載されている使い方を見ると、基本的には塩水をマグネ充電器の中に入れてフタを閉めるだけのようだ。塩は小袋がいくつか付属されていたので、とりあえずこれと水道水で充電できるかを確かめてみよう


まずは、左右のタンクに1袋(15g)ずつ塩を入れる。


続いて、水道水。内側についたでっぱりの下部分までが注水領域だ。


で、タンクが満たされたらマグネシウム棒を差し入れて……


フタを閉め、横に30回振ってLEDスイッチを押したところ……


本当に発電した

マジかよ。いや、これで発電しなかったら逆に商品としてどうなのかって話ではあるのだが、水と塩入れて振っただけで光られてもそれはそれでビビる。普通にスマホも充電できてるし

・無人島に行きたくなった

もう人類に電源は必要ないかもしれない。原理は分からないが水と塩さえあれば電気は使えるのだから。そうと分かれば無人島に行きたい。超行きたい。そこで無人島を検索してみた。10時間くらい

いやあ、ネットってあっと言う間に時間経っちゃうよね! 記事書いてる途中だったし、10時間も検索するつもりなかったんだけどさ! 楽しくなっちゃって。

? ランタンこの野郎! お前まだ点いてたのか? そう言えば、本記事はマグネ充電器の記事だった。すっかり存在を忘れてたけど、もう十分使えることは分かったのでオフって使用後の処理をしよう。なになに? まずは、マグネシウム棒を取り出すのか。上蓋を外し棒を取り出したところ……


溶けてるッ……!

ラ、ランタンこの野郎! お前大丈夫なのか……? そこで説明書をよく読んだところ、これはこういうもんらしい。さらに、説明書によると、底蓋を開けて塩水とマグネシウム棒の反応物を取り出す必要があるという。つまり、塩と水ではなく、マグネシウム棒と塩水の反応で発電していたわけだ。

すなわち、マグネシウム棒も消耗品。理系の人や、理科の実験が好きだった人は速攻で気づいたかもしれないが、塩と水さえ入手できれば永久に発電できるというわけではなかった。

・無人島、それはロマン

なお、それでも無人島に持っていくもの選手権の話を続けるなら、海水を使って発電することはできるようである。というか、説明書によると、水の替わりに尿でも可能だというから、これはシンプルに凄い。

ただし、海水や尿を使用する場合、不純物が混じっているため、発電能力が低下するのだとか。そのためUSB充電はできないらしい。やはりUSB充電レベルの発電はハードルが高いことが伺える。

が、それゆえに、マグネ充電器は非常時には使えるのではないだろうか? ちなみに、付属のマグネシウム棒4本で、充電は約10回相当可能であり、懐中電灯、ランタンは96時間以上使用可能なのだという。それぞれの機能は、サスティナブルに使うというよりも、急場をしのぐことにこそ適しているように感じる。

というか、最初からそのつもりで作ったのかもしれない。もし、そうであれば、無人島に持っていくもの選手権とか勝手に言いだしてごめんな。だが、忘れないで欲しいそれがロマンであると! マグネ充電器が尿で充電できる日が来ることを願わずにはいられない。

参考リンク:Amazon
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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