えっ、最強じゃん。とりあえず今のところ、市販されているミラーレスでは、汎用性がぶっちぎってる気がします。2021年9月14日の「Canon EOS Presentation 新製品発表会」にて発表された、キヤノンの新型フルサイズミラーレスカメラ『EOS R3』。

R5もR6もあるので、次に来るのは「1」を冠したフラッグシップモデルだと思っていましたが、「3」を冠した新しい製品ライン。発表を見て気になったので、触ってきました。これ凄く欲しいなぁ。

・無双

「無双」というのが恐らくEOS R3のキャッチフレーズ的なワードなのだと思うのですが、マジで無双できそう。発表されてすぐに、都内のタッチ&トライに申し込んだ筆者。銀座、品川、名古屋、大阪でしか実施されていないので、気になっていても会場まで遠いという方も多いかと。


そういう方のために、かるーーーーーく触ってみての感想や、質問してきた情報をシェアしてみようかと。なお、触れた時間は屋内で15分。わりと一瞬で終わってしまったので、ぶっちゃけ試せなかった機能の方が多いです。その点はご了承を。


・視線入力

まずはこれでしょう。視線入力。実際のところどうなのかと気になっている方は多いと思います。筆者の場合は全く問題なし。ガチにファインダーの端から端まで、筆者がピンポイントで見ている場所をAFフレームが素早く追跡してくれました。めちゃくちゃ未来感あって感動した

視線の先をシャッターボタン半押しでAFさせるか、あるいは視線の先を常にAFし続けるかも設定次第で変えられます。また筆者は眼鏡をかけているのですが、眼鏡でも裸眼でも、トラッキングの精度には問題なし。

ただし、アイカップから少し目を離すと上手く視線を読み取れない時が発生しました。まあ、しっかりアイカップに目をくっつけて覗き込めばOKという感じ。たまにファインダーから数センチほど目を離して覗き込む方は確かにいますが、そういう癖のある場合は注意が必要かもしれません。

上手くできなかったという声も聞かなくはないのですが、少なくとも特徴らしい特徴が皆無な標準的中年日本人男性の目をしているであろう筆者の眼球では、かなり便利な機能に感じました。あくまで販売前のモデルで試しただけではありますが。

なお、パンフレット的な冊子上の表記によると、目の細さやまつ毛の長さによっては使用できない可能性があるもよう。目が細い方は仕方がないと思いますが、女性で睫毛関連を盛りがちな方は気を付けた方が良いのかもしれません。


・シャッター関連

メカシャッター音は、ほぼR5と同じような感じに聞こえました。ちょっと離れたり、騒々しい場所だとほとんど聞こえない程度の静かな音量。


そして電子シャッターは、無音からかなり大きい音まで音量が変更可能。音質はちょっとニセモノっぽいシャッター音ですが、大きくできるのは良いことです。自然光でのポートレート撮影の時などは音量MAXの電子シャッターがかなり活躍しそう。


その電子シャッターですが、1/180秒までストロボに同調も可能というのは嬉しいところ。ローリングシャッターによる歪みの出方次第ですが、その辺りが問題なければ、ずっと電子シャッターのままでいいかもしれません。撮影シーンに応じてメカシャッター、電子先幕、電子シャッターと使い分けるのって、地味に面倒なんですよね。


・防塵防滴とマルチアクセサリーシュー

そして防塵防滴性能です。担当してくれたキヤノンの方によると、EOS R3の防塵防滴性能は、一眼レフ機の最上位機種「EOS-1D X Mark III」と同等だそう。バリアングル液晶を搭載していますが、モニターを横に開いていても防塵防滴だそうです。これは凄い。

ただし、その防塵防滴性能を発揮するには条件があるもよう。それは、マルチアクセサリーシュー(いわゆるホットシュー)にカバーをつけること。ここも気にしている方は多いと思うのですが、EOS R3のマルチアクセサリーシューは従来とは別物。パッと見た感じはソニー製カメラのホットシューみたいな、奥に細かい端子がついてるような感じになっています。

新型のマルチアクセサリーシューによるメリットもあるのだと思いますが、従来のように剥き出しで使うのは控えた方が良いかも。その他は高度な防塵防滴なのに、そこだけは防塵防滴ではないそうなので。ちょっとここは個人的にマイナスポイント。失くしたときのために予備のカバーも買っておかないと困りそう。

という感じで、全く不満が無いというわけではないですが、(微妙に思ったのはホットシューのみ)公式HPで閲覧可能なその他のスペック的に、お値段74万8千円(公式オンラインストア)も程よいライン。特に報道、スポーツ、乗り物系カメラマンからの需要はめっちゃ高そう。


・神コスパ超軽量超広角

そしてEOS R3と同じくらい欲しくなったのが、同時に発表されたRF16㎜ F2.8 STM。まず驚いたのは軽さ。165グラムとめちゃくちゃ軽く、超コンパクト。既存の50㎜ f1.8とほぼ同じサイズです。


EOS RPのファインダー越しに見ただけの感想ではありますが、写りもしっかりしています。それでいてお値段はキヤノン公式だと税込みたったの41800円! この撒き餌には食いつかずにいられない。

EOS R3についてはそこまでの性能は不要な方や、お値段的に踏みとどまる方もいるとは思いますが、このレンズは即決待ったなしでは? レンズ本体にAF/MF切り替えボタンはついていません(Focus / Controlスイッチがついてる)が、MFでの使用ももちろん可能です。

オリンピックでもメディアによる使用率はNo.1だったりと、最近キヤノンの勢いが増してる感はありましたが、さらに加速したもよう。それにしても、これでまだ「1」じゃないんですね。きっといつか来るであろう「EOS R1」的な最上位機種はどうなってしまうのか……。

参考リンク:Canon
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.