【実録】正真正銘本物の正規品なのに価格が怪しく安い「AirPodsPro(10800円)」の正体を追ってみた(その3)

それは雨降る肌寒い日だった。予約していた時間の5分前にアップル新宿へ到着。受付を済ませると、すぐに担当者さんがやってきた。


「羽鳥さんですね? さっそく拝見していいですか?」

ゴム手袋をしたジーニアスさんに、真偽不明のAirPods Proを箱ごと渡した。彼は無言で開封し、AirPods Proをじっくり確認。そしてAirPods ProをケーブルでPCと接続し何かを調べていたが、すぐさま答えを明言した。


「フェイクです」。


はっきり彼はフェイク品と断定した。フェイクと言うとニセモノですか? と問うと、「ニセモノだと思いますね」と即答。システムチェックをしても認識しない、完全なるフェイク品であると断言した。さらに、


「イチからフェイクだと思います」


電話サポートでは「改造品の可能性が高い製品」との判断だったが、実際に触って確認したジーニアスは、本物パーツは使われていない、完全なるコピー品(模造品)であるとの判断を下した。いわく、

・ヒンジ部分の刻印が本物とは違う
・ヒンジ部分のパーツの作りが甘い
・Lightningコネクタの差し込み具合も甘い


とのことでニセモノ確定、「非常に上手にできているフェイク品です」との評価だった。


ちなみに本体は模造品だが、箱に関しては「たぶんオリジナルかも?」とのこと。なんでも中国では「本物の箱」が売られているのだとか。しかしながら、箱に貼られているシールのフォントは若干違うらしい。

そして最後に、ジーニアスはこう言った。


「最近は “スーパーコピー品” が けっこうあるんですよ。どんどん精巧になっています」。


単なるニセモノではなく「スーパーコピー」。コロナが明けて海外に行ったら、「オニイサン、コピーアルヨ」ではなく、「オニイサン、スーパーコピーアルヨ」と声をかけられる日が来るのかも……。

いいや、もう来ている。少なくとも時計に関しては、海外に行かずとも、もう毎日のように「オニイサン、スーパーコピーアルヨ」とオススメされている今日この頃。


声の主は、まいどおなじみ……



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<完>


執筆:迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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