『クルード スパゲティ式めん』をご存知だろうか。岡山県とその周辺エリアでカルト的な人気を誇るレトルトグルメだ。強烈なレトロ感ただようパッケージからは、激動の昭和〜平成を生き抜いてきた風格を感じ取ることができる。

さて他県民を困惑させる「スパゲティ式」というパワーワードについてであるが……これは実際に食べてみた者にしか分からないかもしれない。本記事ではスパゲティでもスパゲティ以外でもない「スパゲティ式めん」の魅力を、なるべく分かりやすくお伝えしてみようと思う。

・ツッコミどころ多し

かくいう私は岡山のお隣・鳥取県の出身。『クルード スパゲティ式めん』の鳥取での知名度はそれほど高くないが、スーパーの片隅にひっそりと売られていることがあるため「なんとなく知ってる」という県民も一定数いる。主に流通しているのは岡山と四国らしい。

スタンダードなのはナポリタンを彷彿(ほうふつ)とさせるトマト味

たらこ味もある。どちらも3食入り198円。パッケージに「スープ付き」と書かれているが、ここでいうスープとは麺にかける調味料のことである。

しかしスープそのものにはなぜか「ルー」と印刷されていて、まぎらわしいので注意が必要。うっかりお湯で溶いてしまわないように。

トマトルーのデザインがオシャレなのに対し、タラコが雑な点は少し気になる……。


・スパなのに卵なし

本商品の正式名称は「ゆでスパゲティ式めん」。原材料欄を見ると、スパゲティには欠かせないはずの『卵』が使用されていないことが分かる。

なるほど、どうりでパスタより『うどん』や『そうめん』に近い見た目をしているはずだ。市販のソースやめんつゆをかけてみるのもイイかもしれない。

実際のスパゲッティーニと比較してみると……約5倍ほどの太さだ。コシZERO。ノビノビのホニャホニャ。

サラダ油をとともにフライパンにかけると、驚くほど簡単にほぐれるぞ。

あとは粉状のスープ(ルー)をまぶせば……

トマトスパゲティ式めんの完成〜! 調理時間わずか1分!

当サイトきっての炭水化物好き・原田記者に試食をお願いしてみよう。

原田「う〜ん、味が薄いような……?」


・完全に素人の発言

「味が薄い」という原田記者の意見はあながち間違いではない。が、しかし! トマトスパゲティ式めんの「薄い」は、否定的な意味の「薄い」とは違う。これは例えるなら、そう……まるで……


“ハンバーグ定食に少しだけ添えられたケチャップスパゲティ” の味!


トマトスパゲティ式めんは言うなれば、誰もが食べたことのあるアレの進化版なのだ。薄味とホニャホニャ麺の向こう側に見えてくる奥深い味わい。1回食べただけでは分からないかもしれないが、何度か食べればいつか到達することだろう……それこそが岡山の心! たぶん!

『たらこ』は一転して味が濃いめ。粉末タイプならではのドライな味わいがジャンクでクセになる。個人的にはどちらも多少の焼き目を付けるのがオススメだ。

原田「うん、これは濃い! ウマイ」


・可能性は無限

ちなみにトマト・たらこ両方ともパッケージに記載された「おいしい召上り方」は完全に同じ。「御手許のお肉、お野菜を加えていただけば尚一層おいしく召し上がれます」とある。

たらこスパゲティに肉を入れるという話も珍しいが、それはそれで意外と美味しいのかもしれないな?

無難に『トマト』をナポリタン風に仕上げてみると……

原田「オイシイ!!!」


スパゲティっぽいけどちょっと違う『クルード スパゲティ式めん』は常温で保存可能。乾麺をゆでる手間が省けるので、常備食としても活躍してくれる。

また古き良き「給食のソフト麺」にもよく似ているので、岡山県民でなくともどこか懐かしい気持ちになるだろう。周辺エリアへ出かけた際はぜひ探してみてくれ。

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.