月に200種を超える新商品が発売されるというカプセルトイの世界。これだけの商品があると、ただ可愛いだけ、ただ精巧なだけでは、なかなか100円玉を投入する気にはなれない。

その一方で、ひと目見ただけで「絶対買い」と即決するアイテムもある。今回ご紹介するのは、思わず笑ってしまうユーモア、愛らしさ、造形のよさなど個人的に今年トップレベルのホームランである! 最高だ。


・「にゃんこミュージアム」(全5種300円)

どんなところが魅力かは一目瞭然、画像を見ていただきたい。妙にくねくねとした身体。両手を頬に当て、大きく口を開けた独特の表情。

かの有名なムンクの「叫び」……いやいや、にゃんこの「叫び」である。


セットの絵画もよくできている。ミニチュアサイズの額縁に、にゃんこを名画風にしたパロディイラスト。これだけでも商品になるくらいのクオリティで、商品の価値を押し上げている。

ちなみに元ネタでは叫んでいるのは画中の人物ではなく、自分を取り巻く自然から聞こえてきた絶叫に耳を塞いでいる姿なのだそう。「不安」をテーマにした作品を多く残したムンクは、同じ構図の「叫び」をいくつも描いている。

それがネコになると、なんとも平和的で健康的な叫びになるのがまた……。たぶん「カリカリが……もうにゃい!」くらいのことだろう。

絵画の裏面にはスタンドがついていて、立てて飾ることができる。フィギュア、額縁ともに安定感もばっちりだ。


続いてはこちら。基本はネコフィギュア+絵画のセットなのだけれど、このアイテムだけ特別に貝殻の台座がついている。

「ヴィーニャスの誕生」である。原画で長い髪の毛で隠されている部分は、後ろから回したシッポ! ヴィーナスの髪はブロンドだから、色合いもぴったり。

見えないところだけれど、足がモフモフのおしりに埋もれたようになっている細かい演出もイイ! ガラステーブルの下から見たネコである!

きょとんとした表情は、海の泡から生まれたばかりの純真無垢な様子を象徴している…………のかもしれない。


3つ目のこちら、開封したときは、なんの絵かわからなかった。頭にのっている黒いものはチョンマゲ?

ぐっと突き出した顔、ちょっと寄った目……写楽(しゃらく)である!


よ~く見ると隈取(くまどり)もしている!! ぱぁっと開いた両手が可愛い。

名画といえば西洋画のことばかり思い浮かべるけれど、浮世絵だって立派な芸術品! 江戸時代に彗星のように登場し、数々の役者絵を残して、煙のように消えてしまった「謎の絵師」が東洲斎写楽だ。

アイテムは全5種。残りは「モニャリザ」と「真珠の耳飾りのにゃんこ」である。残念ながら入手できなかったのだけれど、フェルメールにゃんこ、欲しかったにゃぁ。


・続編を希望

発売は株式会社バンダイ。テレビ東京のバラエティ番組「今日からやる会議」から生まれた商品なのだそう。にゃんこたちにも実在のモデルがいるんだって。

しつこいが、どの絵も非常~に味があって「もっと見たい」と思わせる。いろいろな絵画で展開して欲しい! 「にゃんこミュージアム」の名のとおり、ずらっと並べて美術館を開きたい!


参考リンク:ガシャポンワールド
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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