洋食でありながら和食の仲間の “フリ” をしている食べ物がいる。それは「コロッケ」だ。というのも、駅そばに行くと、大抵のお店に「コロッケそば」が置いてあり、洋食であることさえも忘れたかのように当たり前にメニューに並んでいる。コロッケよ、お前は洋食のはずだ。人気メニューなのはわかるけど、自分のルーツを忘れるな。

そんなコロッケなのだが、あろうことか、中華の仲間のフリまでしていることが発覚した。コロッケそばではなく、コロッケラーメンを提供しているお店があるというのだ! なんだよコロッケ、お前は和食の仲間じゃなかったのかよ! 裏切られたような気持ちになったので、その味を確かめるために、実際に食べに行ってみた!

・「立ちそば」ならぬ「立ちラー」

コロッケラーメンを出しているのは、東武鉄道・春日部駅のホームにある「東武ラーメン」だ。駅のホームで立ち食いといったら、そば屋が一般的だが、ここはラーメン専門店である。


券売機で品ぞろえを確かめてみると、やっぱりラーメンのみ。そばの「そ」の字も見つけることができない。ましてうどんの「う」の字もない訳だが……。


よく見たら、上段右4つがちょっと変わったラインナップになっている。コロッケラーメン・天玉ラーメン・コロッケ玉子ラーメン・天ぷらラーメンとある。いずれもそばではメジャーな品々だな。


う~ん、天ぷらラーメンも気になるところだが、今回は初めてお店を利用するので、コロッケラーメン(税込610円)に挑むとしよう。


・なんでお前いんの?

そして出て来たのがコレだ!


美味そうなラーメンではあるが、場に馴染めていないような感じのヤツが1人いる。そう、コロッケだ。そのヨソヨソしい感じは、まるで修学旅行の時に、ほかのグループの入浴時間に風呂に入って来てしまったヤツみたいだ。「なんでお前いんの?」、そんな声が聞こえて来そうだ。


まずは主役(?)のコロッケを頂くとしよう。コロッケは和出汁と相性が良いが、中華出汁とも合うのか?


食べてみると、これが意外と合っている。具のポテトがスープの出汁を含み、噛むとジワリと旨味がしみ出して来る。コレはイケるな!


ラーメンとコロッケが合うとは全然知らなかったよ。完全に場違いなヤツだと思ったけど、いい仕事してるじゃないか。邪魔者にしてごめんな、コロッケよ

ちなみにラーメンそのものはショウガの効いたしょう油ベースで、懐かしくて気持ちの落ち着く味だった。立ち食いではあるが、腰を据えてゆっくり味わいたいクオリティである。


ということで、コロッケの万能さを確かめたい人は、春日部駅ホームでこのラーメンを味わってほしい。


・今回訪問した店舗の情報

店名 東武ラーメン
住所 埼玉県春日部市粕壁1丁目10-1 東武鉄道春日部駅 野田線ホーム(7・8番線)
時間 7:45~21:00

参考リンク:東武鉄道ポータルサイト
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24