新型コロナウイルスの影響で、営業時間の短縮を余儀なくされている飲食店が、どうやら朝の時間帯に活路を見出そうとしているらしい。2021年2月2日、日本有数のラーメンブランド「一風堂」が、朝限定の「朝がゆ」と「朝ラーメン」を開始した。

通常11時からの営業を3時間前倒しして、午前8時から提供される「朝がゆ」と「朝ラーメン」はそれぞれ税込み500円。果たして一風堂の「朝がゆ」と「朝ラー」はどんな仕上がりなのか? 実際に食べてきたのでご報告したい。

・現在は1店舗のみ

「朝がゆ」と「朝ラーメン」の提供を開始した一風堂は日本でただ1店舗『一風堂浅草橋本舗』のみである。他店舗での展開については「需要などを見極めながら判断していきたい」とのことなので、つまりは「この店舗次第」ということになるハズだ。

ちなみに『一風堂浅草橋本舗』は、グループ内で “本舗” の名が付く2つしかない店舗で(もう1つは福岡県の一風堂 塩原本舗)、店仕込みにこだわった東京版 “拉麺発信所” だという。要するに一風堂が「都内でメチャメチャ力を入れてる店舗」と考えていいだろう。

さて、「朝がゆ」と「朝ラーメン」が提供されるのは平日の朝8時から10時までの2時間のみで、1時間の休憩時間を挟んで11時から通常営業を開始する。11時以降、また土日は「朝がゆ」と「朝ラーメン」は取り扱っていないので注意して欲しい。

今回は提供初日の「朝がゆ」と「朝ラーメン」を注文し、それぞれをじっくりと味わってみた。冒頭でもお伝えした通り、価格はどちらも税込み500円だ。

・とんこつコラーゲンおかゆ

とんこつで炊き上げているだけあって、旨味はかなり強い。あっさり系というよりは、パンチ力がある濃厚なお粥だ。細かく刻まれたパプリカ、カリカリ梅、ザーサイ、ねぎ、生姜の歯応えもよく、これだけで体がポカポカと温まってくる。

特筆すべきは、トンコツベースのお粥なのにトンコツ特有の臭みが一切ないこと。おそらく初めてのお粥なのに「一風堂の技術力の高さ、おそるべし」と言ったところだろうか。端的に激ウマである。

・あさだ! ラーメン

お粥とは対照的に、かなりあっさり系の醤油ラーメン。煮干し出汁が使用されており、キリリと切れ味の鋭い後口だ。朝から食べるラーメンとしては理想的な完成度で、1杯食べても少しも重さは感じなかった。

また、あっさり系とはいえしっかり煮干し出汁が効いているので、飲み干したくなるほどスープがウマい。こちらも食べ終える頃には体が温まる一杯だ。

・かなり有能

簡潔に申し上げて、一風堂の「朝がゆ」と「朝ラー」はどちらも完成度が高かった。お粥とラーメンで選んでも良し、濃厚系とあっさり系で選んでも良し。これがどちらも500円ならば、毎朝のように通う人がいても不思議ではない。

おそらくではあるが、飲食店が朝の時間帯に活路を見出す流れはしばらく続くハズ。一風堂の「朝がゆ」と「朝ラー」も現在は1店舗のみの展開だが、機会があればぜひご賞味いただきたいクオリティの高さだ。両方とも素直に激ウマである。

参考リンク:一風堂公式サイト
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.