つい数カ月前まで、喫茶店でたばこを吸いながらコーヒーを飲むのは普通のことだった。何も特別なことでなく、ありふれた日常の光景。少なくとも私(佐藤)にとっては、なかば日課となっていた。しかし今ではできない! そんな贅沢なことはもうできなくなってしまった!!

2020年4月に施行された「改正健康増進法」により、多くの喫茶店は完全禁煙に踏み切った。吸えるとしても、飲食できない喫煙スペースに限られる。たばことコーヒーは完全に分断されてしまったのだ。悲しい……

と思っていたのだが、ここにきて喫煙者を救済するようなお店が誕生していた! その名も「ザ・スモーキストコーヒー」だ。ここは紙巻きたばこも加熱式たばこも、飲食しながら楽しむことのできる喫煙者に優しいお店なのである!

・こういうのでいい!

たばこの吸えるお店は本当に少なくなった。新型コロナの感染予防のために、閉鎖したり撤去されてしまった公衆喫煙所も多々ある。私も喫煙者だ。改正健康増進法施行から半年以上が経ち、吸えなくなったことに慣れてはきたものの、時々喫茶店で「コーヒーを飲みながらたばこを吸いたい」と思ってしまう。あの楽しみはもう取り戻せないのだろうか……。


そう思っていたところ、東京・東新宿でザ・スモーキストコーヒーを発見した。お店の運営元はカフェ・ベローチェを展開する「株式会社シャノアール」である。11月1日にここ東新宿と神田須田町、2日には新橋に店舗をオープンしている。


このお店に遭遇したその瞬間、私は小躍りしそうになった。そうなんだよ! こういうお店もあっていいんだよ。どこででも吸えなくなった今、逆に「ここで吸いたい!」って場所を作ってくれれば、それで満足なんだ。その場でお店の情報をネットで調べたところ、公式ホームページを見つけた。そこにはこう書いてある。


「大人の嗜好品を愉しむ場所」


そこにはコーヒーカップと灰皿に置かれたたばこの写真が。なんて懐かしい光景なんだろうか。あんなに日常にあふれていたのに、今では容易に見ることができないなんて。そんな状況下で、このお店を作ってくれたシャノアールに感謝したい。ありがとう! 私は心のなかで叫んだ……


・仲間たちが……

お店は全席喫煙ではなく、1階が禁煙席。2階が喫煙席になっている。入店すると1階席はガラガラだった。禁煙席があるとはいえ、店の名前が「スモーキスト」だから吸わない人は入りづらいのかな?


アイスコーヒー(税込363円)を受け取って2階に上がってみると、同士(喫煙者)たちが煙をくゆらせている。7割くらいの席が埋まっているだろうか。近隣のサラリーマンを中心に、たばこを愛する人たちが利用している。


さて、仲間(喫煙者たち)にまじって私もコーヒーをすすりつつ、たばこに火を点けた(アイコスの電源をオンにした)。


・節度を持って

それにしても、喫煙者はすっかりマイノリティになっちまったな。たしかに「百害あって一利なし」と言われるたばこだ。お金と健康を無駄遣いするだけの代物なんだろうよ。ムダといえばムダだ。でも俺は思うね。最近世の中、ギスギスしすぎちゃいねえか? 多少はゆとりを持って、まわりを見回すくらいじゃないと、息苦しくて仕方ねえ。「まあ、落ち着け」と各方面に言いたいね。

昔なら「1本吸って、落ち着こうや」、そう言いながらたばこを1本差し出して興奮する相手をなだめたもんだよ。それが今ではたばこを吸わないと来てる。どうやってなだめりゃいいんだか……。たばこに対する節度はもちろん大事だ! 吸えりゃいいってもんじゃない。けど、一切合切ダメって言われると、ちょっと困っちまうなあ。ルールを守って嗜む分には、理解をしてもらいてえところなんだけどなあ……。

ってなわけで、このお店は喫煙者として大歓迎! でもそんなに店舗は増えなくてもいいかも。増えなくてもいいから、喫煙者のオアシスとして長く続いてくれることを願う。言うまでもなく、たばこは二十歳になってからな! 


・今回訪問した店舗の情報

店名 ザ・スモーキストコーヒー 東新宿店
住所 東京都新宿区新宿6-29-11イーストクロスタワー1・2F
時間 7:00~23:00

参照元:ザ・スモーキストコーヒー
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24