カツ丼チェーン「かつや」が先日発表した期間限定の新メニューは、訓練された我々 “かつや者” の度肝を抜くと同時に、王の帰還を予感させる極めて意味不明な代物だった。パン粉の代わりにカツを揚げるのは、なんとコーンフレーク。生産者さんの顔が浮かばへんのよでお馴染みの、あのコーンフレークである。何でやねん。

そして本日2020年3月6日、待望の新作『コーンフレークカツ丼』がいよいよ解禁となったため、さっそく私(あひるねこ)も食べに行ってきたぞ。以下でその詳細をお伝えしよう。

・待望の新作

コーンフレークカツ丼──。正式名称『スパイスチキンのコーンフレークカツ』には、丼(税抜590円)と定食(税抜690円)の2種類が用意されており、今回私が注文したのは丼の方である。それにしても、『コーンフレークカツ丼』と改めて声に出して気付く。なんちゅう名前だよ。

・スパイスの火力強め

ただこのカツ丼、しょっぱなからいきなり予想外のムーブを見せた。器が目の前に置かれると、コーンフレーク云々の前にまずスパイスの強烈な香りがブワッと漂ってきたのだ。つけてたマスク突き破ってきたからね。え、インド料理屋!? 自分が今どこにいるのか一瞬分からなくなり脳がバグる。


気を取り直してよく見てみると……おお、本当にコーンフレークだ。我々がよく知るコーンフレークが、あの姿かたちのまま無数にカツを覆っているではないか。重々分かってはいたけど、正気かコイツ。

・まんますぎる

あまりにもコーンフレークなルックスと、想像以上に振りかけられているスパイスの量にビビりつつ、熱々のうちにさっそくいただいてみたい。すると……


ザァク! ザァク!!


バァリ! バァリ!!

いやうるせェェェェエエエ! ザックザックバッリバッリという、明らかに咀嚼音の基準値を超えた爆音が脳内に響き渡る。ただでさえザクザクのコーンフレークを、さらに油で揚げているのだから当然と言えば当然か。しかしこのカツ丼、思っていたよりも……


かなりンマい!

・まさかの激ウマ

先に書いたように尋常ではないほどザックザクだが、それは硬いというワケでは決してなく、おいしく食べられるギリギリを攻めているような印象である。またその分、中のチキンが柔らかく感じられるので、食感のコントラストを存分に楽しめるのだ。コーンフレーク、まさかの有能!

最初はスパイスかけすぎじゃね? と思ったものだが、今ならこの食感とスパイスの組み合わせが正解だったことがよく分かる。ビールが欲しくなる味とでも言おうか。コーンフレークのザクザクと互角に渡り合うためには、ある程度スパイスの強さが必要なのだろう。

ただ、このカツ丼には一つ注意点もあるのだ。普通のカツならば時間とともにサクサク感が失われ、しんなりしてしまうはず。しかし、『コーンフレークカツ丼』は違う。時間が経てば経つほど硬質化していくのである。

・カミソリの領域

熱々ザクザクだった衣も、次第に刃物のような切れ味を持ち始め、最終的にナンバーガールのギターサウンドの如き鋭角さをもって口の中を狂って候(そうろう)。まさに鉄風鋭くなって。事実、私の上顎は、コーンフレークによって合戦後のような状態へと追いやられてしまった。南無阿弥陀仏。

よって、口内炎がある人にはあまりオススメしないが、それを除けばこの『コーンフレークカツ丼』、味・食感・満足度のいずれにおいても大いに食べる価値ありと評価したい。思ったよりだいぶウマかったぞ。

去年のM-1チャンピオン、ミルクボーイはこう言った。「晩飯でコーンフレーク出てきたら、ちゃぶ台ひっくり返すもんね!」と。しかしさすがのミルクボーイも、晩飯に出てきたのが『コーンフレークカツ丼』ならきっと喜んでくれるのではないか。ぜひ一度食べてもらいたいものだ。

参考リンク:かつや
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.