全ては計算し尽くされたハズだった──。この記事を書き始めるにあたり、私(P.K.サンジュン)はそう振り返らざるを得ない。もちろん誰にでも失敗はあるものだが、自称「偏差値600万」の私がまさかあんな罠にハマるなんて……。なので先に謝っておこう「ごめんなさい」と──。

今回、大人気シリーズ「1万円トッピング」に登場するのは日本最大級の立ち食いそばチェーン店「富士そば」である。富士そばでコロッケを1万円分トッピングしようと試みたところ、まさかのトラップにハマってしまったのだ。

・富士そば全面協力

手前味噌な言い方で恐縮だが「1万円トッピングシリーズ」はメチャメチャ人気がある企画である。それなのに滅多に登場しない理由はただ1つ……「挑戦させてくれる企業(店舗)がほとんどないから」だ。コンプライアンス第1のこのご時世、それも致し方あるまい。

そんな中、即決で「いいですよ」と返事をくれたのが富士そばである。さすが庶民の味方、富士そば。さすが狂気のメニュー「タピオカ丼」を販売した富士そば。さすが、俺たちの富士そばである。とどのつまり、今回の1万円トッピングは富士そば全面協力のもと行われた。

・コロッケしかない

では、その富士そばで1万円分トッピングするなら何だろう? 肉? わかめ? かき揚げ? 答えはいずれもNOだ。富士そばでトッピングするならばコロッケ一択。味については言うまでもなく「富士そばらしさ」を最も感じさせるメニューはコロッケ以外にあるまい。

富士そばの担当者によると「実はうちが元祖のメニューじゃないんですけど、何年も前からゴリ押ししています」とのことだから、やはり1万トッピングにはふさわしいメニューであろう。もちろん、コロッケを1万円分もトッピングしたことは「記憶にない」とのことであった。

・計算上は可能なハズ

さて、富士そばのコロッケそばは1人前430円。そしてコロッケ単品は120円だから、80個トッピングすると合計で1万30円ということになる。というか、そもそもコロッケ80個が丼に乗り切るのか? その疑問に対し、私はある秘策を用意していた。

その秘策とはズバリ「花びら作戦」──。コロッケを花びらのように並べていき、コロッケがコロッケ同士で支え合うように並べていけば80個も余裕で可能。なんなら200個くらいならイケる。IQ2億の私の頭脳はそう計算していた。


ところが──。


出てきたコロッケやべぇぇぇぇえええええ!!


床やないかッッッ!


とはいえ、計算通りなら80個のトッピングは可能なハズ。そして思惑通り、コロッケの花は順調に巨大化していった。コロッケは意外と強度が高い。これならイケる……! そう確信して30個目に突入した時のことだった。


根元が崩壊──。


なんと鉄壁かと思われていた衣が汁を吸いまくり、フニャフニャになってしまったのである。土台が崩れたコロッケタワーがそびえ立つハズもなく、結局コロッケは27個、つまり3240円分のトッピングが限界であった。1万円分注文した意味……ナッシング。

・味は最高

ただし、富士そばのコロッケのウマさは鉄板であったことは記述しておきたい。なめらかな舌触りのじゃがいもはクリーミーで、素朴で飽きの来ないウマさであった。4個目くらいで何屋に来ているのかわからなくなったことはさておき、やはり富士そばのコロッケはウマい。

また、なんとかコロッケの山をかき分けて辿り着いたときに味わった “そばと汁” のウマさは異常であった。これまで数えきれないくらい富士そばで食事をしてきたが、ここまでそばをウマいと思ったことは初めてである。逆説的ではあるが、コロッケを8個くらい食べてからそばを食べるのが、富士そばのそばを最も美味しく食べる方法……なのかもしれない。

・協力してくれる企業を大募集中

まとめると、今回わかったのは「トッピングできるコロッケは27個が限界」だということと「富士そばはコロッケもそばもウマい」ということ。付け加えるならば「コロッケは猛烈なスピードで汁を吸う」といったところだろうか。人生、やってみないと分からないことがある。

というわけで、久々の登場となったものの厳密には1万円分トッピングできなかった本シリーズ。飲食チェーン店の中で「うちでやってもいいよ!」という勇気ある企業の方はぜひご連絡ください。夢とロマンを追い求めたいです──。

取材協力:富士そば
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

▼食べられる分だけ食べて……

▼あとはお持ち帰り。

▼コメントにあるように「キングギドラ」みたいになった。挑戦させてくれる企業さん、お声がけください。

[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]