「お疲れ様でした」という言葉は英語にないというのは有名な話だ。「いただきます」や「ごちそうさま」も。そんな言葉を見つけるたび、私(中澤)は日本人の心を再発見したような気分になる。なぜそれを言うのか? 言葉にはそこに込められた想いがある

先日、ふとアメリカ人とそんな話をしたのだが、逆に意外な言葉が英語で存在することを知った。その言葉とは「飯テロ」。さて、英語ではなんて言うでしょう

・飯テロとは

例えば、分厚いステーキ肉。肉汁滴る赤身の画像を見ると、私は「ステーキ食べたいなあ」と思う。条件反射的に口の中にヨダレが湧き、ステーキのことしか考えられなくなる。ダイエット中とか深夜などの食べちゃいけないタイミングであればなおさらだ。

こんな風に空腹をうながすテロ行為が「飯テロ」だが、近年ネットスラングとして定着しており、ウマそうな飯画像の投稿を意味する。そんな飯テロの英語とは……


food porn(フードポルノ)」。


ロケットニュース24の英語版『SoraNews24』の記者・ケイシーによると、この「porn」はひねりなどなくそのままの意味で、直訳すると「食エロ」なんだとか。食欲をそそるご飯の写真や動画を撮ってSNSに投稿する時、このタグをつけたりするのだという。

・なんでもない言葉だからこそ

テロとエロ。1字違いだけど、イメージは随分違う。しかしながら、画像を見た時などの反応を考えると、英語版の方が直感的に理解しやすい言葉であるような気がしなくもない。性欲と食欲はどちらも3大欲求だし

それにしても「飯テロ」を指す英語が存在するとは。冒頭で、英語にない日本語を発見した時の気持ちを話したが、逆もまた然り。意外な日本語が英語で存在するのもなかなか感慨深い。肌の色や言葉が違っても、思うことは同じなんだなあ……と。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.