台湾の駅弁のウマさは異常。以前の記事でもお伝えしたように台湾は日本に勝るとも劣らない駅弁大国だ。そのためだろう、日本の駅弁文化とも相性が良く、日本でもたまに期間限定メニューとして台湾の駅弁「台湾鉄道弁当」が見られるようになった。

だが、そんななかレギュラーを勝ち取り、その座を守り続けている台湾っぽい駅弁が存在する。それが「大船軒・台湾風ルーロー飯(950円)」だ。

・レギュラーを守り続ける駅弁

大船軒の台湾風ルーロー飯は、2017年にレギュラー化した駅弁だ。大船、鎌倉駅などほか東京駅でも購入することができる。通年販売となってはや2年……つまり多くの日本人に受け入れられてきたのだ。でも、それって「台湾っぽさがある」ということ? それとも日本風だから受け入れられたということ?

・食べてみた

弁当の中身はルーロー飯、煮玉子、いかのつみれ揚げ、そして塩漬けザーサイだ。肉の切り方がワイルドなのが、ふっと笑わせてくれる。

「ナンチャッテ台湾風弁当じゃありませんように~」と思いつつ食べてみると……

ザーサイ、なんて本場っぽい味なの~! 煮玉子は味付け薄めだけどまぁいいや。さて主役の肉はというと……残念なことになっていた。何が残念かというと、気温のせいか肉の脂が固まってしまい、味わう味わわない以前の状態だったのだ。つみれ揚げも左に同じ。

・温めた方が100倍ウマい

これはイカン。八角や五香粉(ウーシャンフェン)の香りどうこういうという以前の問題だ。家に持ち帰り、レンジであたためてみたところ……さっきの100倍はハオチー!(好吃 / 美味しい) 香辛料の香りはさほど感じられなかったが、エビとシイタケのコクと脂がいい具合に混ざり合い、台湾っぽさを感じさせてくれたのだった。

・レギュラーを守り続けるポイント

苦手な人も多い八角や五香粉のクセのある香辛料を控えめにしながらも、エビとシイタケの旨味で現地っぽい味わいを出す。これが変わり種駅弁でありながら、2年間もレギュラーの座を守り続けているポイントに違いない!

「クセのある味に馴染みはないが台湾風味を食べてみたい人」「本場の味が食べたい人」の両方の望みをかなえる最大公約数だったのだろう。

ただこの美味しさは冷えていたら味わうことができないものだ。食べる前にぜひ温めてほしい。ヒモを引っ張ったら、温かくなる弁当になったら最高だ。

参考リンク:大船軒「台湾風ルーロー飯」
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24