さて問題です! 中国料理「水煮牛肉(シュイジューニュウロウ)」とはどんな料理でしょう?

日本人なら「水で煮た牛肉」と読みたくなるこの料理。鯖の水煮の牛肉バージョン、もしくは水炊きのような料理を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。まさに中国に行きたての頃の私(沢井)がそうでした……完全に騙されたよ!

そのビジュアルは名前からは全くの予想外、でもメチャメチャうまい。そこで、第13回「沢井メグのリアル中華」では、ある意味2度裏切られる「水煮牛肉」についてお伝えしたい!

・「水煮牛肉」の正体 / 意味が日本語と中国語で全然違った!

「水煮」とは四川料理の料理法の1つだ。豆板醤等の調味料に水やスープを加えて香りを立たせる、というものである。つまり、赤く辛い牛肉料理ということ。

……日本の水煮と全然違うやないかー!  多くの日本人が騙されたであろう。知っている漢字だからとオーダー → 出てきてビックリ。しかし、その美味さから多くの日本人を虜にしてきた、そんな料理である。

何がそんなに美味しいのかというと、まずはプリプリの牛肉! そして油が浮いているのに油っこくないのが不思議。スッキリとした味わいなのだ。野菜もたっぷり摂れて好(ハオ)。早速作ってみよう!

【材料】

・牛肉:250g
・白菜:1 / 4個
・ネギ:10cmくらい
・ニンニク:1かけ
・生姜:1かけ
・花椒:小さじ2
・唐辛子:6本
・豆板醤:小さじ1.5
・酒:大さじ2
・片栗粉:少々
・味覇など中華スープの素: 小さじ1 / 2
・中華スープ200ml ※味覇などスープの素を溶かしたものでもOK!
・サラダ油:80ml
・塩、コショウ:適量

【作り方】

1. 牛肉と白菜は食べやすい大きさに、ネギは輪切り、ニンニクとショウガはみじん切りに、唐辛子は種を抜いておく。

2. 牛肉に酒大さじ2、味覇小さじ1 / 2、塩コショウ&片栗粉少々を揉みこみ、20分ほど漬け込む。待っている間に3〜7を進めておこう!

3. 熱したフライパンに唐辛子と花椒を入れ、カリっとするまで水分を飛ばす。唐辛子は焦げやすいので要注意だ!

4. 3に油(分量外)を少し馴染ませ、皿にとっておく。

5. 深めの鍋に油(分量外)をしき、ニンニク、ショウガ、豆板醤小さじ1.5を入れ、焦がさないように炒める。油に豆板醤がまわり、赤くなればOK。

6. 5に中華スープ200mlを入れ、沸騰したら白菜を入れて煮る。

7. 白菜が煮えたら、深めの皿に盛る。ここまでで大体20分経っているはず! 2の牛肉を鍋に投入。塩コショウで味を整えよう。


8. 牛肉が煮えたら、白菜の上に盛り、4の唐辛子、ネギをまぶす。……ここで食べたくなるがグッっと我慢! 次が最後の一手間だ。

9. サラダ油80mlを鍋で熱する。熱くなったら、8に上からジューッとかけよう。これで「水煮牛肉」の完成だ!

・意外とスッキリなお味

スープの味は見た目どおり「辛い!」そして「シビれる!!」。これぞ麻辣(マーラー)、これぞ四川というような味だ。そこに浮かぶ牛肉をすくって食べると……プリッ、そして辛さの中からジュワ~ッと牛肉の旨味がしみだしてくる。熱い油を浴びたネギの甘さもイイね! 

中国料理は「油っぽい」と言われがちで、この水煮牛肉も油が浮いているが、これは後がけしただけ。実際は、さほどコッテリしておらず、意外とスッキリしている。夏場に食べたい一品だ。

これは個人の意見だが、ご飯もまぁまぁ進むが、個人的には、麺なんかが合うと思う。よく行っていた店では、シメに “寬麵(幅広麺)” を入れてくれたのだが、その美味であったことよ。

この作り方は、私が現地で知った味を勝手に再現したものであり、もしかしたらあなたの知ってる水煮牛肉とは違うかもしれない。野菜ひとつ取っても、もやし、レタス、湯通ししたセロリなど様々なバージョンがあるしね!

また、牛肉を豚肉に変えれば「水煮肉(片)」に、魚に変えれば「水煮魚」となるので好きな具材でアレンジしてみるといいだろう。

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

★こちらもどうぞ→『沢井メグのリアル中華 / 現地日本人にも超絶愛されているのに、なぜかイマイチ日本でメジャーでない中国料理』シリーズ