2019年7月29日、カップヌードルの新味「四川よだれ鶏」味が発売された。発表があってすぐ、ネット上では「料理に “よだれ” ってどうなの……」という声もあがっていた。

一方で「お! しかし、あのよだれ鶏をどうやってカップヌードルに!?」と思った人もいるだろう。いろんな意味で気になる……ということで、早速食べてみた!

・「よだれ鶏」とは?

「よだれ鶏(中国語:口水鸡)」は、四川料理でよく見られる冷菜のひとつ。簡単に言うと、ゆでた鶏肉に花椒を始めとした香辛料がきいた麻辣ソースがかかっている料理だ。プリプリした鶏肉とシビ辛味が肉のジューシーさをひきたて、蒸し暑い日に食べるとスッキリ爽やかな気分になれる。

ちなみに料理名の由来は、文学者の郭沫若(かく・まつじゃく1892-1978)が著書で「少年時代に故郷四川で食べた鶏肉料理(中略)、思い出すだけでもヨダレが出る」と記したことによる、と言われている。

なお、料理名に「よだれ」を使うことは中国でも、あまり上品ではないと考えられがちだが、それでもそう呼びたくなるほどのウマさということだ。

それが麺と絡んだら美味しそう……でも、冷菜をあえて温かいカップヌードルにするというのはどういうことなのか? 実際に食べてみた。

・実際に食べた結果

うまい! しかし、「辛ウメェェェ! よだれ止まらねェェェ!!」とまではいかず、正直に言うと、 辛さはお腹がポカポカする程度。痺れの部分の「麻(マー)」は控えめだった。目を閉じて食べても中国は思い浮かばず、むしろ元のカップヌードルの雰囲気が強い。

きっとこの味が、元々あるカップヌードルの味を感じられ、かつ、よだれ鶏風味を醸すというところでもギリギリのラインなのだろう。あくまで「よだれ鶏をカップヌードル的に解釈するとこうなりました!」という印象だ。

・肉が美味しい!

だがしかし! 何だよ、ただの辛いカップヌードルかよ……と思うことなかれ。この「カップヌードル 四川よだれ鶏」は肉が妙に美味しいのだ。見た目は白い謎肉だが、食べてみるとパサつきがなく、比較的しっとりしており、他のカップヌードルでは味わったことのない食感。味も鶏ダシがきいているような気がする。

めちゃくちゃ気になったので、日清に問い合わせたところ、肉は鶏肉で作られた味付けミンチ肉であり「お肉はこの商品オリジナルです」とのことだった。

もしかして麺やスープや辛さより、肉に注目すべき商品だったのか……! たしかに本物のよだれ鶏もメインは肉でありソースをガブ飲みしたりしない。食べるときは是非肉に注目してほしい。カップヌードルに対して、ちょっと新鮮な気持ちになれるだろう。

参考リンク:日清新浪網(中国語)
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼カップヌードル「四川よだれ鶏」



▼「辣(ラー:辛い)」のロゴが中国っぽくて素敵。でも辛さは「2」と辛くない

▼肉がウマイ! そんなカップヌードルでした