福岡県の高校では公立・私立問わず、通称「朝課外」または「ゼロ時間目」という制度が導入されている。これは県内大半の高校で実施されており、1時間目の授業に先立って行われるものだ。「はじめて聞いた~」という方もいるだろう。

それもそのはず、福岡県外でやっている学校はほとんどないらしい。記者は県内の高校に通っていて、これまで当たり前の制度だと思っていただけにとんだカルチャーショックである。この制度について賛否両論あることは、想像に容易いだろう。そこで今回は、朝課外経験者の記者が存在意義について考えてみることにした。

・7時半から授業がスタート

記者が高校生の頃のスケジュールはこうだ。午前6時に起床。愛犬の “ランくん” の散歩をし、朝ごはんを食べる。自転車をかっ飛ばして、7時に高校に到着。朝課外のために予習や宿題の振り返りを行い、7時半から授業がスタートしていた。

そしてそれから全国の高校と同じように授業が始まるのだから、なかなかハードではないだろうか。学校に到着した時点で眠くなり、朝課外中はほとんど寝ていたことはさて置いて、よくもまあ真面目に学校に通っていたもんだと、自分で自分に驚く。

・県の介入は2013年から

とは言え、記者が高校生だったのは15年ほど前。今は昔の話である。そこで現在の朝課外システムについて、福岡県庁に問い合わせ聞いてみた。すると「県が高校の朝課外に意識的に関わるようになったのは2013年から。それ以前は各学校が自主的にやっていたことなので、よくわからない」という答えが返って来た。

うっそ……マジかよ……!! 条例的なナニかで、絶対にやらなきゃいけないことだと思っていたぞ。一体全体どこの学校が始めたというのか、是非とも知りたいところであるが、詳しいことは県も把握していないらしい。

現在は “生徒に参加の意思を確認すること” や、朝課外を受けずとも通常の授業についていけるよう “朝課外は普段の授業とは区別した内容にすること” などが、義務付けられているという。どうやら朝課外のシステムも、少しずつ見直していく必要があるとされているようだ。

・放課後課外や勉強合宿も

そもそも、朝課外は必要なのだろうか。記者の場合は学校が家の近くにあったから、まだマシな方だ。通学に時間がかかる友だちは、眠たい目をこすりながら、毎日しんどそうな顔つきで登校していたことを思い出す。部活生はより一層、大変そうだった。

それでも週に1度や2度ならば、がんばれるかもしれない。しかし月~金まで毎日となれば、いくら体力のある高校生といえども体に負担がかかることは火を見るよりも明らかだ。ぐっすり眠って、しゃっきりした頭で1時間目の授業を受けたほうが、よほど内容が頭に入るというものである。

学校側は「やればできる。なにごとも一生懸命がんばれ」というスタイルだったが、一生懸命やって勉強ができるようになるのであれば、全校生徒が東大に行ってるから! やってもできんものはできん!! 

さらに記者の学校では、受験が近づけば放課後課外や勉強合宿なんてものもあり、朝から晩まで学校の椅子に座りっぱなしの3年間だった。はたして、あの勉強法には意味があるのだろうか。正直、辛かった記憶しか残っていない。この朝課外制度、みなさんはどう思う? 

執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.