やっぱり。何となくそんな気がしていたけれど、やっぱりそうだ。日本の有給取得率、今年も世界で最下位だって。それも僅差じゃなく、ぶっちぎりの最下位。マラソンでいうところの “1人後方集団” って感じだ。

なにせ、ワースト2のオーストラリアの有給取得率が70%なのに対して日本は50%。う〜ん、こりゃあヒドい。他にも色々と……ヒドいなぁ。

・エクスペディアが発表

大手旅行サイト「エクスペディア ジャパン」が毎年発表している『有給休暇の国際比較調査』。10回目となる今年は、世界19カ国・18歳以上の有職者男女計1万1144名を対象にして行われたそうだ。

まずは、先ほど少し触れた「有給取得率」から見ていくと……


ブラジル・スペイン・フランス・ドイツが100%、ほかにも90〜70%台の国が並ぶなかで、日本だけが50%。完敗である。ちなみに、3年連続の最下位だそうだ。

「逆に、日本が最下位じゃなかった年があるのか?」って気もしてしまうが……あるぞ! 2014年と2015年、日本の有給取得率は最下位じゃない。下から2番目だ。ただし、それ以外の年は全部最下位。詳しくは昨年の「日本の有給消化率の記事」を参照してくれ。

また、日本の「有給取得日数」は10日で、アメリカ・タイと並び これまた世界最下位であった。


・なんでこんなことに?

それにしても、なんでこんなことになってしまったのだろう? 一概には言えないだろうが、「日本人が休みを取らない理由」として挙げられているのが……


1位:人手不足
2位:緊急時のために取っておく
3位:仕事する気がないと思われたくない


これを見て、「うんうん」となっている人、多いのではないだろうか。

・最下位なのはまだある

また、日本が最下位なのは「有給取得率」と「有給取得日数」だけではない。ほかにも、「上司が『有給の取得に協力的』と回答した人の割合」が43%で最下位


長い休暇を取得する人の割合」も20%で最下位。


そして「『自分はより多くの有給休暇をもらう権利がある』と回答した人の割合」も54%で最下位だ。


・日本が1位なのは……

逆に、日本が1位のランキングだってある。「有給休暇の取得に罪悪感がある人の割合」は日本が58%で1位……。


出張に有給休暇をつけた経験がない人の割合」も日本が79%で1位である。


──悲しい気分になってきたから、データはこれくらいにしたい。

それにしても、「自分は多くの有給休暇をもらう権利がある」って思う人が少なく、一方で「有給取得に罪悪感を感じる人」が多く、また「上司が『有給の取得に協力的じゃない』と思っている人」が多いのだから、日本の有給取得率が世界最低になるのは必然かもしれない。

勤勉さが裏目に出てしまっているというか何というか……。どちらにせよ、今の状況を変えていく必要は大いにありそうだ。

参照元:エクスペディア・ジャパン
執筆:和才雄一郎