何かを表現する人にとって、作品は宝であり、大事に扱って欲しいと願うはずである。それがもし、自分のあずかり知らないところで高値で転売されていたり、無断で複製されていたりしたら、憤りを感じるに違いないだろう。

ヴィジュアル系エアーバンドとして知られる「ゴールデンボンバー」は、2018年12月4日に廃盤になった初期音源を無償で配布することを発表した。それには深い理由があり、ボーカルの鬼龍院翔さんはブログで胸のうちを明かしている。

・三作を無償配布

配布に踏み切ったのは、『音楽が僕らを駄目にする』『The golden J-POPS』『恋愛宗教論』の三作で、音源データを配信すると同時に、YouTubeで全曲視聴が可能になっている。

鬼龍院さんによると、これらの作品は事務所に所属する以前のもので、彼がCD-Rで焼いて、インクジェットプリンタで印刷していたそうだ。まさに手製の作品で、ファンにとっては垂涎モノであることは間違いない。しかし、その希少性を逆手にとって転売される例があとを絶たないようだ。


・鬼龍院さんの投稿

「実際僕が作っていたときはいくつかのケースやCD-Rを使っていたので偽物なんて作りたい放題です、決してもうネットオークションで買わないで下さい。偽物を買うくらいなら自分で焼いてプリントしてください。昔の稚拙な音源を公開するのは恥ずかしくて躊躇っていましたが、そうも言っていられないなと思ったのでこの機会に公開させて頂きました」(鬼龍院翔公式ブログより)


可能ならせめてリマスターしたいと考えたかもしれない。だが、転売が繰り返され値がつり上がることを看過できないと判断したようである。転売は売っている人物がもちろん悪いのだが、つい欲しいという気持ちに負けて、買ってしまうのも良くないことだと思う。これを機に廃盤作品の取引がなくなることを願うばかりだ。

参照元:Twitter @KinbakuTw鬼龍院翔公式ブログ
執筆:佐藤英典