世界的な禁煙機運の高まりと共に2020年の東京五輪に向けて、都内では喫煙所が縮小され、飲食店では完全禁煙の波が押し寄せている。以前の私(佐藤)は、喫煙者のひとりとして「厳しすぎる」と理不尽に感じていたのだが、最近はそうでもなくなってきた。

私自身、たばこをやめる気はサラサラない。しかし、喫煙者のマナーが悪すぎてさすがに見かねるレベル。とくに中高年の喫煙者のマナーはひどく、中高年喫煙者の私でも怒りを覚え、思わず注意してしまうほどだ。

・喫煙所さえ大事に使えない

喫煙者は、喫煙を許可された場所。つまり喫煙所さえもキレイに使うことができない。それにもかかわらず、吸えるとか吸えないとか言う資格はないと思っている。その考えは今も変わるところではない。同じ喫煙者としては、せめて喫煙所くらい気持ち良く使おうといつも感じる。


・街が汚れるきっかけにしかなっていない

みんなではないにしても、一部。いや大半の喫煙者が喫煙所を汚す。喫煙所だけでなく、その周りも汚す。何なら、喫煙が許されない場所でさえも平気で汚している。自ら喫煙が許された場所を汚して、喫煙者の居場所を奪っているのは、喫煙者自身にほかならない。非喫煙者にとって、喫煙所は邪魔であるだけでなく、ついでに周りを汚される迷惑な場所でしかない。

そんな場所は街に少ない方がいいに決まっている。その考えに立ったうえで、喫煙所が排除されるのも仕方がないと私は思うのだ。


・年配喫煙者のとった行動

歩きたばこも一向に減る気配はなく、路上喫煙禁止の場所でたばこを吸って歩いているのは、残念なくらい中高年の男性だ。かなり年配の人でさえも、周りに憚るどころか堂々と煙をくゆらせているから困りものだ。

普段はわりと見過ごして、自分は灰皿を探すように努めているのだが、最近見かねて1人の年配男性を注意した。


原宿を歩いていた時のことだ。地下鉄入り口のすぐ近くを歩いていた時に、目の前を歩く男性が紙巻きたばこを吸っているのに気が付いた。入り口の向こうには灰皿があるので、そこまで行くのかと思ったら、たばこを吸ったまま入り口の階段を降り始めたのである。

今日日(きょうび)、地下鉄の通路に灰皿のあるところなど、どこにもない。少なくとも都内にそんな場所は1カ所もない。たばこを吸ったままこの男性はどうするのか? と思ったら、階段を降りながら吸い殻を足元に捨てたのだ。


いくら何でも地下鉄入り口の階段でポイ捨てはないだろう。ちょっと堪えられなくて、その吸い殻を手に取り、男性に返した。「オジサン、これはひどいでしょ。こんなところで吸うなよ」と、出来るだけ抑えた口調で注意した。

男性は「すいません」と言ったが、そのあとその吸い殻をどうしたかは不明だ。私は頭に血が上っていて、彼の顔を見ることができなかった。


・今のままなら厳しくなっても仕方がない

年長者がこれでは、若者は誰を手本にマナーを学んだら良いのだろうか。出来れば歳上の人間に注意などしたくはないが、中高年男性の喫煙マナーの悪さは目に余るところがある。せめて喫煙所で吸うくらいのルールは守って当然。それが守れないのであれば、喫煙所がなくなっても文句を言う筋合いはないと思う。これ以上、喫煙ルールが厳しくなったら、1人の喫煙者としては困るけど、今のままなら厳しくなって当たり前。そう思う喫煙者は私だけだろうか?

執筆:佐藤英典
イラスト:Rocketnews24