「イクメン」という単語は時代遅れになりつつある。お父さんだろうが、お母さんだろうが、育児をするのは当たり前。「イクメン」などと特別視する必要がないからだ。

だが社会では、まだその “当たり前” が浸透しきっていない模様。ある男性が子連れで男子トイレに入ったところ、育児に不可欠な「ある物」がなくて困ったそうだ。男性の怒りの主張に同意の声が続々寄せられている。

この怒りの主張を行ったのは、3人の息子を持つドンテ・パルマーさんだ。子連れで出かけ、1歳の子供のオムツを替えようと公衆トイレに入ったところ……「アレ」がない。そう、男子トイレに「オムツ替えのスペース」がなかったのだ。


「男子トイレにオムツ替えの台がないってどういうことだよ! まるで、子育てする男性が存在しないみたいじゃないか!!」


そんな風にパルマーさんが感じるのも無理はない。パルマーさんは仕方なくトイレの個室にしゃがみ、自分の膝の上に子供を寝かせてオムツ替えを済ませた。

その様子を収めた写真は、彼のInstagramアカウントにアップされているが、なかなか大変そうだ。パルマーさんは「息子のリラックスっぷりからも分かると思うけど、僕たちはよくこうやってオムツを変えている。息子にとって、もう当たり前のことなんだ!」と説明しながら、「みんなでこの問題を解決しよう!!」と投稿を締めくくった。

同じような困難に直面したことがある人も多かった模様。パルマーさんの主張&写真はネット上で注目を集め……


「よくぞ言ってくれた」
「私も同じことで悩んでいた。ひとりじゃないと分かって嬉しい」
「僕もひとりで娘を育てました。娘がまだ幼い頃は、他の人に女子トイレに誰もいないか確認してもらって、女子トイレでオムツ替えを行わなければなりませんでした」


……など、世のお父さんたちから同意の声が、またお母さんたちからも「一緒に変えていきましょう」という声が集まった。

数カ月前にも、別のお父さんが同様の主張をFacebook上で行い、これまた話題を集めていた。

こちらのクリス・ボーンヤード・マウさんは、パルマーさんのような方法を取ることができず、やむなくトイレの床に服を広げてオムツを替えなければならなかった。かわいい赤ちゃんが汚いトイレの床に寝転んでいる写真に、ショックを受けた人も多かったようだ。

この問題は、日本でも度々話題になる。今回のパルマーさんの体験談のオチまで聞かずに、すぐに「ああ、オムツ替え台のことね! 経験あるある!!」と分かってしまった人もいるはずだ。

多目的トイレや男子トイレにオムツ替え台を設置する場所も増えてきているが、これもパルマーさんやマウさんのような人々が声をあげ、その流れを作ってきたからだ。私たちも何かに困ったら「この事態を変えなければ」という意識を持って、主張していくことが大切だろう。

参照元:Instagram @3boys_1goalFacebookMotherly(英語)
執筆:小千谷サチ