2010年に放送開始して以来、世界中で大ヒットを飛ばしているサバイバル・パニックドラマ『ウォーキング・デッド』。ウォーカーと呼ばれるゾンビが蔓延(はびこ)る世紀末的な世界を描く本シリーズは、社会現象を巻き起こすほどの人気を博している。

ところが、最近アメリカでは視聴率が急激に下降気味で見るのをやめてしまう人が続出している。それは一体なぜなのだろうか!? 理由について、海外エンタメライターである筆者が分析してみることにした。

1.ストーリーが同じことの繰り返し

本シリーズはシーズン8の放送が終了し、すでにシーズン9への更新が決定している。しかし、これまでに描かれてきた出来事は、主人公リックたちのグループがサバイバルの最中に敵と遭遇しては戦い……と、気がつけば同じことの繰り返し。ストーリーに新鮮さが欠けている印象は否めず、「なんだか飽きてきた……」と感じているファンは少なくないようだ。

2.キャラクターの描かれ方が中途半端

シリーズの中心となるキャラクターはリックと彼の仲間だが、最近は救世主や王国、アレクサンドリアにヒルトップなどに住む登場人物が一気に増え、キャラクターの描かれ方が中途半端になっているような気が……。

あまりにも登場人物が多すぎて、筆者も誰が誰だか分からなくなってしまうことがあるし、名前を覚えるのも大変! そうなると物語に集中しにくくなってしまうし、作品のクオリティ的には、「登場人物の描写が乏しくストーリーに厚みを欠く」という状態を招いているように思う。

3.暴力描写が過激すぎる

シーズン7第1話で、悪役ニーガンが有刺鉄線を巻いたバットでリックの仲間2人を撲殺する暴力描写が、あまりにも過激すぎると問題に。ファンからも批判の声が挙がるようになり、この時期からシリーズの視聴率が下降気味になってしまった。

4.シリーズが中ダルミの極みに……

人気作品になれば、製作スタジオや放送局は利益を生むためにいくらでもシリーズを更新し続けたがるものだ。しかし、そうなると免れないのが “中ダルミ現象” である。

人気絶頂期のシーズン5で、あえてシリーズを完結させた傑作『ブレイキング・バッド』のような作品は、実は数えるほどしかない。やはり、後世にわたって語り継がれるほどの作品になるためには、中ダルミが訪れる前に潔く切り上げなければ有終の美は飾れないだろう。

5.ドラマの競争率が激しすぎる

ひと昔前は、地上波局とケーブル局で製作されるドラマシリーズしかなかったが、最近はNetflixやHuluなどの配信サービスが続々と新作を生み出し、ドラマシリーズの競争率が激しくなる一方だ。

さらに、FacebookやYouTubeもドラマシリーズを次々に製作し始め、ディズニーも映像配信サービスの開始に向けて動いている。よって、面白くなければシリーズの途中でファンが視聴をやめ、他の話題作へ乗り変える現象が起きてしまうのだ。

実のところ、筆者の周りでも『ウォーキング・デッド』離脱者が続出している。筆者は、仕事柄シリーズの視聴を続ける必要があるから見ているが、「シーズン9で起死回生を図らなければ、中途半端な状態で打ち切りになるんじゃ……」と気が気でない。

参照元:Instagram @amcthewalkingdead
執筆:Nekolas

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