「結婚は人生の墓場」。この有名な言葉に、古今東西、数えきれないほどの人が強く共感を寄せてきた。では「結婚は修行だ」という言葉はどうだろうか? きっとこちらも、多くの人が首をガクガクさせながら同意するはず。

なぜなら今回、ある調査で「結婚は人間を成長させる」と証明されたからだ。やはり、やはりそうか! 結婚は修行だったんだ……!!

・配偶者に気持ちを傷つけられたらどうする?

オランダのティルブルフ大学が行い、電子ジャーナル『Journal of Social and Personal Relationships』で発表したこの調査。円満な人間関係を築く上で欠かせない「寛容さ」と「自制心」は、夫婦間でどのように変化するのか?

そんな問いとともに調査チームは、結婚して3カ月以内の夫婦199組に、以下のような「寛容さ」と「自制心」にまつわる記述が、自分にどれだけ当てはまるか答えてもらった。

寛容さ:「相手が私を誤解しても、許して忘れる」「相手に気持ちを傷つけられても、すぐに立ち直ることができる」など

自制心:「自分は誘惑と戦うのが得意だ」「長期的目標にむけて根気づよく努力することができる」など

・対象者の自制心&寛容さがアップ!

そして4年間、年に1度、対象者を変えずに同じ質問を投げかけ続けた。すると年を追うごとに、対象者たちの自制心と配偶者に対する寛容さのレベルが上がっていることが判明したのだ。

調査チームによると、対象者たちは、“自制心を高めるための心理学コース” を修了した人と同じくらい、自分自身を上手くコントロールすることができるようになったとのことだ。スゴいぞ、結婚!

・新婚だから?

だがこの結果は、「結婚したばかりの最初の4年」だからかもしれない。

なぜなら、結婚したばかりだと、人はまだ「結婚生活を成功させたい」「関係を長続きさせたい」という思いも強く、努力を惜しまないことが多いからだと調査チームは述べる。なので結婚からン十年も過ぎた場合だと、自制心にも寛容さにも成長は見られないかもしれないのだ。

・結婚生活以外にも良い影響が

以前お伝えした16年間連れ添った妻と離婚した男性が挙げた “結婚のコツ” にも、「妻の性格を変えようとしない」「妻の感情の波を受け入れる」「妻を許す」などとあった……。たしかに結婚生活を長続きさせるためには、自制心と寛容さが必要なようだ。

なんだかそう聞いてしまうと、結婚ってツラそう……と尻込みしてしまうが、悪いことばかりではない。調査チームは、「高い自制心を身につけると、人生のあらゆる局面で役に立つ。寛容さも、その人の健康や精神衛生にも良い影響を与える」とも結論付けているからだ。

参照元:Journal of Social and Personal RelationshipsBBC(英語)
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.