VALU騒動から大炎上し、活動休止を発表したYouTuberヒカルさん。そんな中、2017年9月7日現在、Twitterで大拡散されているのが、ヒカルさんらになりすます偽アカウントがつぶやいたプレゼント企画。

今までも、有名人であれば普通に偽アカウントは存在したが、騒動を起こしたとはいえ今回は度を越している気もする。本件は詐欺など、なんらかの罪に問われることはないのか。法律の専門家に聞いてみた。

・偽アカウントのツイートが大拡散

乱立しているのは、VALU騒動の中心人物であるヒカル、ラファエル、禁断ボーイズなどの偽アカウント。それらのアカウントが、活動休止動画の公開直後から こぞって「VALU騒動(or 解散)のお詫びにRTした人全員にPS4(or 任天堂swicth)のプレゼントをする」という趣旨のつぶやきを行っている。

さらに、問題のつぶやきは、多いもので10万近くリツイートされている状況だ。ただし、軒並み炎上しているため、おそらく「RTしたからくれなければ詐欺」という趣旨のディスコメをつけるためのリツイートが多いと思われる。

・詐欺になるか

確かに、ツイートでは「RTした人全員にプレゼント」との文言も見受けられるが、本件は、もしプレゼントされなければ詐欺になるのか。アディーレ法律事務所の吉岡達弥弁護士(東京弁護士会所属)に聞いてみると……

吉岡達弥弁護士詐欺罪にはあたらないと考えられます。まず、詐欺罪の成立の条件は以下の通りです。

1. 欺く行為
2. 相手方の錯誤
3. 相手方の交付・処分行為
4. 相手方からの財物・利益の移転(欺いた人の財物・利益の取得)

この4つがあってはじめて詐欺罪は成立します。今回の場合、他人に成りすましてリツイートすればプレゼントをする行為が詐欺罪に該当するどうかが問題となっています。ここでは、いいねやリツイートが利益といえるかどうかが問題となります。

詐欺行為者はいいねやリツイートによって何らかの利益を得るとは考えづらいので、詐欺罪にはあたらないと考えられます

──なるほど。偽アカウントには確かに利益がないかもしれませんね。そもそも何がしたいかもよくわからないですし。では、詐欺罪以外の犯罪に問われる可能性はありませんか?

・詐欺罪以外の犯罪の可能性

吉岡達弥弁護士「今回のなりすましはヒカル氏に対する嫌がらせ目的とも考えられますので、名誉棄損罪や業務妨害罪は成立する可能性があります

ツイートの内容は、Valu騒動に関して、ヒカル氏がValuを買い上げるだけでは損をした方への補填にならないので、ヒカル氏がプレゼントを行うというものです。

これは、『Valu騒動に関してヒカル氏に落ち度があることを認める内容』『Valu騒動に関して、Valuの買い上げでは足りず、プレゼントが必要となることを示す内容』ともとれますので、ヒカル氏の社会的評価を低下させる事実の指摘行為として、名誉棄損罪が成立する可能性があります。

名誉棄損罪の刑罰は、3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金。

次に、業務妨害罪ですが、今回のなりすましによってヒカル氏がフォロー等に迫られ、自己の仕事の遂行が妨害されれば、業務妨害罪が成立する可能性があり、こちらも刑罰は3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります」

──とのことだった。大事なことなので繰り返すと、ヒカルさんに対する「名誉棄損罪」と「業務妨害罪」は成立する可能性があるという。なお、発端であるヒカルさんのVALU騒動もまだまだ収まっていない。

ヒカルさんは活動休止発表の動画で「VALUが当初からこの企画にかかわっていたことは事実」としたが、VALU側からは「ヒカル氏らによる大量売却について当社は一切関知および関与しておりません」とのコメントが発表されているためだ。

混迷の度がより深まりつつある本件。関わっている者全てがグレーゾーンの闇の中でうごめいている。はたして、真相が白日の下に晒されることはあるのか。今後の展開を見守りたい。

協力:アディーレ法律事務所
参考リンク:VALU
執筆:中澤星児
イラスト:マミヤ狂四郎

▼拡散されている偽アカウントのつぶやき