高さ634メートルを誇る東京スカイツリー。あの巨大なタワーを一目見ようと、多くの観光客が毎日のように詰めかけている。そんな東京のシンボル的存在であるスカイツリーだが、そのすぐ近くに、いなり寿司とのり巻きしかない寿司屋があることをご存じだろうか?

東京ソラマチなど、最新の飲食店がギュウギュウにひしめいているあの一帯。その隣にある40年以上の歴史を持つ珍しい専門店に、妙に惹かれるものがあり立ち寄ってみた。スカイツリーが完成する遥か昔から存在するお店で出会ったのは、激ウマな「いなり寿司」だったのだ!

・東京最大の観光スポット

その日、スカイツリーで修学旅行中の団体に出くわした。おそらく中学生だろう。最近の修学旅行は、東京タワーではなくスカイツリーなのか。だが、東京を代表する世界的な観光スポットでも、外に出ればそこは墨田区の下町。来るたびにこのギャップを不思議に思っていた。

・スカイツリーの隣に佇む老舗

そんなことを考えながら押上駅を出て歩いていると、ちょっと変わったお店を発見。一見昔ながらの寿司屋のようだが、看板には「いなり寿司 のり巻き」としか書かれていない。お店の前まで来ても、やけにいなり寿司を推している。一体ここは何屋なんだろうか。

・変わった専門店

実はこちらの『味吟(あじぎん)』は、なんとも珍しい “いなり寿司とのり巻きの専門店” なのだ。いなり寿司が名物の寿司屋はあるだろうけど、それだけを売っている寿司屋はあまり見たことない気がする。しかも、どうやら創業40年以上の老舗らしいぞ。なんだかワクワクするので入ってみた。

店内は思ったよりもキレイだ。持ち帰りの人が多いようだが、テーブルが用意されており中で食べることもできる。せっかくなので、作りたてを食べていくことにした。頼んだのは、いなり寿司とかんぴょう巻きが4個ずつ入った『まじり(税込680円)』である。お茶を飲みながら待つとしよう。

・いなり寿司とのり巻きのセット

寿司桶に入っていると、パックの数倍はウマそうに見えるのはなぜだろう。いなり寿司は、普段見かけるものよりも若干色が濃く、そこにたっぷりとゴマがかかっている。かんぴょう巻きの方は、ザ・のり巻きという感じ。心なしかのりがキレイだ。

・いつもと違う皮

いなりから口に運ぶと、少し甘く濃い味付け。いかにも関東風といった感じでウマい。シャリはシンプルに酢飯だが、時期によっては五目になっていることもあるらしい。そして、この皮が特徴的だった。いなり寿司の皮というとジューシーで柔らかいイメージだが、これはやや固めなのである。

それでも味がしっかりと染み込んでおり、しょっぱさと脂っこさがあまりない分パクパクと食べられてしまう。最初はいなり寿司だけこんなに食べられるかなぁと思っていたものの、フタを開けてみればペロリと完食。さすが老舗、これは家では出てこない味だろう。

・意外なウマさ

さて、残ったかんぴょう巻きだが、先に告白しなければならない。かんぴょう巻きに、どうしてもテンションが上がらないということを。だって、かんぴょうだぜ……? と思いきや、これが意外なほどおいしく食べられてしまったので驚きだ。かんぴょうが上品だからか、やけにウマいぞこれ。

・客足は途切れない

その間、お昼を前に地元民らしきお客が次から次へと寿司を買っていく。その大半がお年寄りで、店の大将と軽く世間話を交わしてサッと帰る。実はこちら、かなりの人気店なのだ。加えて女将さんの接客が素晴らしく、680円以上の満足感を得てお店を出た。

いなり寿司なんてそこまで頻繁に食べないけど、ふと思い出した時にまた訪ねたくなりそうだ。それにしても、外に出た途端にスカイツリーがそびえ立っているというこの光景は、やはり不思議である。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 味吟 押上店
住所 東京都墨田区業平2-14-6
時間 7:00~18:00
休日 不定休

参考リンク:おしなり商店街振興組合
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼珍しい “いなり寿司とのり巻きの専門店”

▼店内でも食べられる

▼普段見かけるものよりも若干色が濃い

▼味がしっかりと染み込んでいる

▼かんぴょう巻きもウマし

▼外に出た途端にスカイツリーがそびえ立っていた