あなたは「長州力(ちょうしゅう りき)」と聞いて、何を連想するだろう? 滑舌の悪いおじさんだろうか? それとも長州小力の元ネタになった人だろうか? どちらも間違ってはいないが、プロレスファンから言わせると長州は「強さと怖さの象徴」である。

当編集部には、かねてから「長州力(笑)」「キレてないですよ(笑)」と “誤った長州観” を持つ2人の記者がいる。今回はその2名に本当の長州力を教えるべく、伝説の『10.9東京ドーム vs 安生洋二戦』を見せてみたのでご覧いただきたい。

・2人のド素人

誤った長州観を持つのは、当編集部の中澤星児あひるねこの2名である。「有田のモノマネしか思い浮かばない」「コミカルなプロレスラーでしょ」「全然強そうに見えない」……などと、本物の長州力を知らないド素人たちだ。

本来なら長州力の必殺技「サソリ固め」を1時間ほどかけ続けても良かったのだが、彼らの背骨と命が耐えられるとは思えない。そこで、99%のプロレスファンが「あの日の長州はヤバかった」と口を揃える伝説の試合を観賞させることにした。

伝説の試合とは……そう、1995年に行われた「10.9(じゅってんきゅう)東京ドーム vs 安生洋二戦」である。あの日の長州は、それはそれはヤバかった。鬼神の如く強かった。おそらくあの日の長州は世界で一番強く、世界で一番おっかなく、そして世界で一番頼もしかったハズだ。

詳細については割愛するが、“強い長州力” を知るにはうってつけの試合であり、これ以上わかりやすい戦いは考えられない。この試合を観賞し終えたら2人とも涙することは確実、下手したら「長州のタトゥーを彫ってしまうんじゃないか?」というくらい最高の長州が拝める試合である。

まずはプロレスファンの私(P.K.サンジュン)とGO羽鳥が、2人がかりでこの試合に至った経緯をレクチャー。プロレスは試合だけでも面白いが、歴史やプロセスが何よりも面白いスポーツだ。力道山の時代からキッチリ教えたから、事前準備はバッチリだろう。

そしていよいよDVDのスイッチをオン! 部屋中に響くパワーホール(長州のテーマ曲)と大長州コール!! さあ、いよいよ待ったなしやッ!! 全身がパンッパンに張った長州は最高のコンディションだ! さあド素人2名よ……長州力の強さを思い知るがいい!!

わずか5分弱の試合だったが、2人は真剣に画面を見つめていた。あの日、別々に東京ドームにいた私とGO羽鳥も感慨深く試合を見守った。やがて試合が終わり2人に感想を求めたが、なかなか感想が出てこない。さては……泣いているのか


「重量感のある体が、北斗の拳の “山のフドウ” みたいで、攻撃も一撃一撃の重みが違う感じはしました。長州の攻撃で安生がダメージを食らっている時は、なぜかスカッとしましたね。ただ、全盛期のピーター・アーツの方が強そうだと思いました」(中澤星児)

「正直登場しただけで笑ってしまいそうでしたが、安生戦の長州はまるで巨大な岩のようなデカさ、そして頼もしさがありましたね。プロレスファンから絶大な支持を集めているのも、ある程度は理解できました。ただ、試合後のインタビューは何を言っているのかマジでわからなかった(笑)」(あひるねこ)


……と、素人なりに長州力の偉大さを感じた様子であった。なお、補足しておくと全盛期のピーター・アーツよりもこの日の長州の方が5万倍強い。中澤が語っていたように、この日の長州は「山のフドウ」なのだ。アーツがフドウに勝てるわけがないではないか。

というわけで、完全体の長州ファンにはならなかったものの、それなりに長州への理解が深まった両名。うむ、君たちにとって人生のターニングポイントとなり得る非常に有意義な時間だったと思う。今後も1人前のプロレスファンにすべく、知らず知らずのうちにプロレスを教え込んでいく予定だ。

参考リンク:長州力オフィシャルサイト
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼長州のストンピングについて力説。

▼試合に至る経緯もバッチリ予習した。

▼長州パンッパンやで!

▼いつになく真剣にプロレスと向き合う2人。

▼「キレちゃいないよ」が誕生した試合後のインタビューには爆笑していた2人。まあいいだろう。

▼これからも徐々にプロレスを教え込んでいく予定だ。