日本が世界に誇るエクストリーム天丼チェーン「てんや」。表向きは低価格でおいしい天丼を提供する優良飲食店だが、同時に意味不明な新商品を出し続けるという裏の顔を併せ持つ。どこまでも暴走するその様を、私(あひるねこ)は「乱心」と呼び、かねてから恐れてきた。

過去にも『てんや風 ロコモコ天丼』『Wハンバーグ天丼~BBQソース』といった、名前の時点でどうかしている迷作たちを次々と世に放ってきた「てんや」。今回は『豚角煮天丼』という、ハイパーな新商品を手に堂々のご帰還だ。しかしどういうわけか、これが普通にウマくて困惑しているのである。

・乱心するのを見たい

殿中でござる! 殿中でござるぞ!! と、常に乱心を警戒してきた私であったが、心のどこかではその乱心ぶりを楽しんでいたのかもしれない。そんな中、本日2017年6月1日に発売となった新メニュー『豚角煮天丼(税込780円)』。ほほう、こたびも私を存分に楽しませてくれそうではないか。

・新メニューを食べてみた

オープンと同時にお店へ突撃。それにしても、豚角煮を、なぜ、どうして、天ぷらにするのか? その必然性がまったく見えないあたり、最高に乱心している。安心した。今回も「てんや」は絶好調だ。さあ、いよいよ丼が席へと運ばれてきたぞ!

・『豚角煮天丼』の中身

内容はというと、まず豚角煮の天ぷらが2つ。他にはまいたけ、れんこん、ハーフ玉子、そして ほうれん草の天ぷらが1つずつ入っている。実は、この時点で違和感を感じていた。なんだろう、意外と充実している。特に、まいたけという参謀役の存在は大きい。もしや……あまり乱心していない?

・角煮のポテンシャル

まずは主役の豚角煮天から食べてみよう。さすがにこいつは乱心しているだろう。しかし……おや? 普通にウマいぞ。豚肉はとろっと柔らかく、ほろっと身が崩れる。角煮として十分なおいしさだ。そして、予想以上に天ぷらの衣との相性が良い。肉の柔らかさと、天ぷらのサクッとした口当たりが見事にマッチしているのである。

・乱心が足りない

しつこく感じたら、付け合わせの刻みネギと辛子を使うといい。サッパリと食べられるし、いいアクセントにもなる。いや、待て。いくらなんでも気が利きすぎてるだろ。どうしたんだ「てんや」! おまえは、おまえはそんな感じじゃねーだろォォォオオ!! もっともっと乱心してくれーーーっ!

・死角なし

とろ~り半熟の玉子天のおいしさは言うまでもなく、まいたけ天は野菜の中では最上位レベル。ほうれん草天という変わり種もあってバラエティ豊かだ。困ったことに隙がねぇ……。全体的に、普通においしい天丼になっているではないか。こんなん、困惑するなという方が無理というものだろう。

・未来への不安

とても満足してお店を出たものの、私は底知れぬ不安を感じていた。もしかしたら、このまま「てんや」は乱心しなくなるのかもしれない。あの頭のおかしい「てんや」を見ることはもうないのだろうか? それは神のみぞ知るといったところ。引き続き、今後の動向に注目したい。

参考リンク:てんや「豚角煮天丼」
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼豚角煮天丼(税込780円)

▼付け合わせの刻みネギと辛子

▼豚角煮の天ぷらが2つ

▼まいたけ

▼れんこん

▼ハーフ玉子

▼ほうれん草