日本ではその活動をほとんど知られていないにもかかわらず、海外で高く評価されているクリエイターやアーティストは大勢いる。おそらく、堀貴秀さんもその1人だろう。彼は2014年、フランスで開催された世界最大級の短編映画の祭典にノミネートし、ベストアニメーションを受賞した。

受賞作『JUNK HEAD1』は、掘さんがほぼ1人で4年もの歳月をかけて作ったコマ撮りアニメーション。30分の映像は、1人で作ったとは到底 思えないほどクオリティが高い。その作品にさらに手をかけ、このほど『JUNK HEAD』として劇場公開することが決まったそうだ。緻密に作られた115分の映像は圧巻の一言!

・4年の歳月をほぼ1人で

掘さんの作品がノミネートされたのは、第36回クレルモンフェラン国際短編映画祭である。この年、日本作品で唯一ノミネートしたのが、『JUNK HEAD1』であり、最終的にベストアニメーションを受賞する結果となった。その内容が、4年もの歳月をかけてほぼ1人で作ったとは思えないほどなのだ。

さらに驚くのは、今作が掘さんの処女作だったということ。

・30分の作品にさらに85分を追加

『JUNK HEAD1』を公開した後に、掘さんは『JUNK HEAD2』の制作に向けて企業からの出資を受けることとなった。そして30分の作品だった『JUNK HEAD1』に、新たに85分の映像を加え、115分の長編作『JUNK HEAD』を完成させたのである。

彼の公式YouTubeを見ると、制作の一部始終が紹介されている。セットのメイキング映像1つとって見ても、膨大な時間と手間をかけているのがわかる。作品に賭ける意気込みは並大抵ではない。

・秋葉原で先行上映会

一般公開に先立って、先行上映が東京・秋葉原のUDXで6月25日に行われるそうだ。上映は開始時刻9時40分・12時30分・15時20分・18時10分の4回を予定。その先行上映に関して、掘さんはブログで次のように語っている。

「『面白くなければ御代は結構!!』と言うスタイルでやろうと思います。作品が面白くなければお金を払わずに途中退席でもいいです。金額についても自由に決めて頂き、出口に置いた箱に投入する形にしようと思います」

・とにかく映像を見て欲しい

作品に自信がなければ、こう宣言することはできないだろう。それだけ面白いと思っていいのではないだろうか。はたして、30分作品だった『JUNK HEAD1』のその後は、どう描かれたのだろうか? まだ作品を知らないという人は、YouTubeで公開されている『JUNK HEAD1』を見て欲しい。とにかく圧倒されるぞ!

参照元:YouTube、堀貴秀公式ブログ「yamiken.jp」、Facebook @sapporoshortfest
執筆:佐藤英典

▼ベストアニメーション受賞作『JUNK HEAD1』

▼セットメイキング動画

▼『JUNK HEAD』先行上映予告