ラーメン大国・ニッポン。数えきれないほどのお店が、自慢の麺とスープだけで日々勝負をしている。たかがラーメンと侮るなかれ。もはやラーメンは1つの文化であり、その至高の1杯は、ある種の芸術と言ってもいいのだ。

ところで、ラーメンファンの間で、最近オープンしたとあるお店が話題になっている。そのお店のラーメンは、なんと具がないのだという。麺とスープ、ただそれだけ。にもかかわらず、そのおいしさから連日多くの人が詰めかけているようなのだ。これは放っておけん! というわけで、さっそく食べに行ってきたぞ!!

・話題の新店

都内でも有数のおしゃれで粋なスポット、神楽坂。牛込神楽坂駅から数分歩き、その路地に入ると見えてくるのが、噂のお店「澄まし麺 ふくぼく」だ。まだオープンしてから1カ月ほどの新しいお店である。

・営業時間が短い

実はこちら、夜は割烹・小料理屋「蒼穹」として営業していて、「ふくぼく」としての営業時間は、なんとお昼の2時間半のみ! しかもスープがなくなり次第終了と、まさに幻のラーメン屋なのだ。開店10分後にはすでに数名が並んでおり、その後も常に満席状態だった。

ラーメンは『澄まし麺』と『醤油かけ麺』の2種類のみ。初めての人なら、500円の半盛りを1つずつ頼むのがオススメだぞ。店内は日本料理屋風の作りになっており、ラーメン屋っぽさはゼロ。中に入った瞬間から、出汁のいい~香りを感じることが出来る。

・具のないラーメン

まず最初に運ばれてきたのは、話題の具なしラーメン『澄まし麺』。ネギ、海苔、豚肉と3種類の薬味も付いてくるが、最初はそのまま食べるのがいいだろう。それにしても、このシンプル極まりないルックスはどうだ。これは出す方も勇気がいりそうだが……。

入っているのは透明感あるスープと麺、そして柚子の皮が一欠片のみ。レンゲもないのでスープは丼、いやお椀から直にいただく。お、おお……。なんという上品な味だ。上質な真昆布から取った出汁だけで作られたスープは、ラーメンというより高級な日本料理に近い。

・究極のシンプル

味付けは出汁と塩のみという、逃げも隠れも出来ない素っ裸状態だ。しかし、これがなんともウマい。非常に薄味にもかかわらず、その香りの濃さには驚いてしまう。そして、そのスープと見事に調和する、主張しすぎないのに味わい豊かな麺。これならいくらでも食べられそうな気がするぞ。

・さらにシンプルなラーメン登場

しばらく食べ進めたところで『醤油かけ麺』も到着。こうして時間差で出してくれるのも嬉しいではないか。こちらはさらにシンプルで、麺に醤油をかけただけのラーメンなのである。そんなの商品になるのか? という気もするが、一体どんな味なのだろう。

麺は先ほどとは違い、つけ麺を思わせるストレートな太麺。しかし、これは本当に醤油をかけただけなのか? たしかに見た目も味もシンプルだが、醤油をかけた以上の味の深さを感じる。やはり醤油が違うのだろうか?

・どっちも食べるのが正解

『澄まし麺』は薬味を入れずに食べた方がウマいと思ったが、『醤油かけ麺』の場合は、薬味を入れて混ぜ麺のようにするとさらにウマい。結局どちらも甲乙つけがたいおいしさだったので、やはり半盛りで両方食べるのが良さそうだ。

・究極の形か

いやはや、1度こんなラーメンを食べてしまうと、ごちゃごちゃと具が入ったようなラーメンが食べられなくなってしまいそうだな。まさにこれは、ラーメンが行き着く最終形態。シンプルを追及した結果の、究極の形なのかもしれない。大変おいしゅうございました。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 澄まし麺 ふくぼく
住所 東京都新宿区神楽坂5-7
時間 11:30~14:00 ※澄まし麺はスープが無くなり次第終了

Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼「濃厚な味のお好きな方にはご免なさい」

▼ラーメンは『澄まし麺』と『醤油かけ麺』の2種類のみ

▼『澄まし麺 半盛』は500円

▼ネギ、海苔、豚肉と3種類の薬味も付いてくる

▼途中で薬味も投入してもウマい

日本, 〒162-0825 東京都新宿区神楽坂5丁目7