この話はまず大前提として、あなたがスーパーでカゴを持って商品を選び、レジで会計をしたことがあると想定したものである。まあ、普通はあるよな? 叶姉妹だって、美香さんならあるでしょ。恭子さんは知らんが。で、次にレジで会計待ちをしているシーンを想像してほしい。

おそらく、スーパーのレジの形状は日本全国同じだと思うのだが、もし違う地域があったら申し訳ない。私(あひるねこ)は、この時たまに遭遇する一部の人たちの行動について、いささか疑問を感じているのだ。みなさんはこれ、どう思うだろうか?

・スーパーのレジにて

本題に入る前に、もう1度レジ待ちの光景を克明に思い出していただきたい。あなたはカゴに商品を入れ、レジの最後尾に並んだとしよう。今、あなたから見て先頭の人は、店員さんとお金の受け渡しをし、会計を終えようとしている。

では、その次の順番の人は何をしている? 店員さんがお釣りを渡し、一連の会計作業が終わるのを待っているはずだ。そして、その後ろにもう1人別の客。その次があなたである。イメージ出来るだろうか? あなたの前にいる2人は、カゴをレジ台の上にそれぞれ置いており、あなたはまだ自分で持っている状態だ。

この時、次の番の客をA、その次をBとする。つまり、順番的にはA、B、あなたである。ここまではいいな?

・列が動く

「いらっしゃいませー、お待たせしましたー」と、店員さんはAの会計作業に取り掛かる。おそらくAは、お金を置くトレイがあるあたりまでスッと移動するはずだ。余談だが、別に覗く気はなくても、前の客が何を買っているかってちょっと見ちゃうよな。ペットボトル一気に買いすぎだろ、みたいな。

・Bの行動

さあ、ここからが本題だぞー。そのうち、Aが持っていたカゴの商品はすべて清算済みのカゴに移されるはず。そして、店員さんはお金を受け取るため前にずれながら、同時にAが置いていた空のカゴをレジ内に下げる……。はいストップ! こっから! こっからのBの行動に注目だよ!!

現在、Aのカゴが下げられたことで、そこにスペースが出来ている。Bはどうするべきだ? そう! 自分のカゴを、その空いたスペースまでずらすんだよ!! それにより、その後ろに並んでいる次の客、つまりあなた。あなたは持っているカゴを、レジ台に置くことが出来るのだ。

・悪夢

この状態こそ、本来あるべき正しい姿だろう。何も難しいことはない。しかし! まれにカゴをずらさず、ボーっと突っ立ているBがいるのだ。いやいやいやいやいやいや! ずらさんかい。自分のカゴくらい自分でずらさんかい。おまえがずらさないから、後ろの人がカゴを置けねーだろうが! このボケがぁぁぁぁあああ!!

・店員の質による2つのパターン

さらに店員さんの質によって、状況は2つに分岐する。有能な店員さんは、そのスペースにサッとBのカゴを移動させるのである。この時「てめえでやれや……」的な表情を浮かべながら ずらすバイトもいるが、私はそんな彼に非常に好感を抱く。

それとは対照的に、Bのカゴをずらそうともせず、Aが小銭を出すのをじーっと見ている店員も存在する。これは、Bとの地獄のコンボが完成する最悪なケースだ。こいつはバイト内でも使えないやつ認定されてそうだなぁ、と思いつつ、この列に並んでしまった自分の判断ミスを嘆くしかない。

・なんなの?

──以上である。私は、このBたちの心理を1ミリも理解出来ない。後ろに並ぶ人のことを考えられないのか? もし後ろに並んでいるのがお年寄りだったとしても、彼らは同じようにボーっと突っ立っているのだろうか? 正直なところ、前前前世からやり直せと言いたい気分である。

・私だけ?

私の感覚は間違っているのかもしれない。多くの人は、このことを特に気にしていないのかもしれない。しかし、私はこういった細かい所作にこそ、その人の人間性のようなものが出てくる気がするのだ。あなたはどう思うだろう?

執筆:あひるねこ
イラスト:稲葉翔子