出会いと別れ、旅立ちの春。卒業、就職、引っ越しなどなど、ガラッと環境が変わった人も多いだろう。今までと違うやり方や常識に慣れるのは大変だが、本当に注意すべきは慣れてから。一度気を抜くと一気に全部抜けてしまうことがある。そう、五月病だ。

ゴールデンウィーク明けに多いこの病気。4月の張り詰めた緊張感からゴールデンウィークに解放されすぎて、戻って来れなくなることも要因の1つ。今回の記事は、ゴールデンウィークに見すぎると、下手したら五月病になる2017春アニメを6つ厳選してみた。

・その1『夏目友人帳 陸』

妖怪が見える高校生・夏目貴志の日常を描き今期で6期目に突入した『夏目友人帳』。妖怪と人間の時間の概念の違いを描く話は逸品だ。特に、死んだ貴志の祖母・レイコさんの登場回は「確変」が起きてるのかと思うほど泣ける。ゴールデンウィークに、これまでのクールを全部見返したらフライアウェイ必至である。

・その2『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』

人間が滅ぼされた後の世界を描く『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』。タイトルだけ見るとギャグ感のある作品だが、メインキャラの女の子たちが兵器で死を約束されているなど、かなりの鬱設定である。

また、暗い雰囲気のクオリティーも高いので世界観にどっぷり浸れる。雨が降ってる日は、沈んだ気分に浸りたい派の人にはオススメ。だが、それゆえに、ガチで浸りきってしまい、仕事行っても世界滅びたら同じや……と五月病に突入する危険がある。

・その3『サクラクエスト』

突然、田舎の廃れた観光地に派遣された少女が明るく奮闘する姿を描く『サクラクエスト』。『花咲くいろは』や『SHIROBAKO』などと同じく、アニメ制作会社「P.A.WORKS」お得意のお仕事アニメである。

めげずに輝くヒロインに前向きになれる人と、アニメの中のキャラと自分のやってることを重ねて「もう嫌だ!」となる人がいそう。

・その4『月がきれい』

思春期真っ盛りの中学生たちのウブな恋愛が、繊細でみずみずしいタッチで描かれている『月がきれい』。この作品を見ていると、自分が知らないうちに汚れていたことに気づかされる。何も言えなかったけど、いつも目で追っていたあのコ。あのコも汚い大人になったのかなあ。

・その5『ひなこのーと』

今期は本当に日常系が少ないのだが、難民たちのキャンプとなっているのが『ひなこのーと』である。現実を全部忘れてリセットできる「日常系」。可愛い良い子しかいない世界にハマりすぎると、逆に現実が地獄にしか思えなくなるので要注意。

・その6『リトルウィッチアカデミア』

女版『ハリー・ポッター』のような世界感を描いた『リトルウィッチアカデミア』。ホウキにもまともに乗れない魔法学校の問題児・アッコが、色んな壁にぶつかりながらも真っすぐに魔女を目指す姿を見ているだけで、子供の頃のキラキラした気持ちを思い出す。夢がいっぱいだったあの頃……それに比べて今の俺や社会ときたら

──以上である。心の逃げ道の1つにもなるアニメだが、ハマりすぎると余計に現実が辛くなることも。緊張感バリバリの職場にいる人は、大型連休でフィクションの世界に羽を伸ばしすぎないように注意しよう。

執筆・イラスト:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼『夏目友人帳 陸』

▼『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』

▼『サクラクエスト』

▼『月がきれい』

▼『ひなこのーと』

▼『リトルウィッチアカデミア』