東京オリンピックを2020年に控え、ここ数年は訪日外国人観光客が増え続けているという。編集部がある新宿でも様々な人種の観光客を目にするが、おそらく彼らがもっとも気を遣っているのが食事ではないかと思う。なぜなら、宗教によっては食べられない食材というものが存在するからだ。

日本の飲食店も今後対応を迫られていくはずだが、人気焼肉チェーン「牛角」では、2017年4月17日からイスラム教徒向けに「ムスリム対応メニュー」の販売を開始するという。豚肉やアルコール類を一切使用しない “ハラル” 焼肉を、スタートに先駆け味わってきたのでお伝えしよう!

・限定販売の新メニュー

2017年4月17日、東京に新しくオープンする牛角赤坂店。こちらで「ムスリム対応メニュー」という、あまり聞き慣れないコースメニューが始まるらしい。しかも、赤坂店だけの限定販売とのこと。何だそれは、とにかく肉食わせろー! とオープン前に突撃をかましてみたら、これが非常に画期的なメニューだったのだ。

・ムスリム、そしてハラル

イスラム教の教徒を指す言葉であるムスリム。彼らは宗教上、豚肉やアルコールを口にすることを許されない。肉だけでなくそのエキスやラードも使うことは出来ず、みりんのようなアルコールが含まれる調味料もダメ。それらと触れた調理器具や食器でさえ使用は不可と、とても厳しい。

そういった厳しい基準を満たして初めて提供出来るのが、ハラル(合法)フード、つまり今回いただく「ムスリム対応メニュー」なのだ。こりゃお店側も大変だな。だが、これで牛角のウマい焼肉をムスリムの人たちも食べられると思うと、目頭が熱くなるではないか。

・実際のところ味は変わってないの?

2つあるコースのうち、私(あひるねこ)が食べたのが『WAGYUコース(税抜6500円)』。個人的にもっとも気になるのは、味が落ちたりしないのか、という点だ。なにせタレ、ドレッシングなど、すべての味付けに影響してくるのだからな。さて、テーブルにズラッと並んだ料理は、一体どうなのよ!?

小皿からトングからグラスからタレの入った器まで、すべてがハラル専用というのだから驚く。これらは食洗器で一緒に洗わずに、手洗いをするとのことだ。ただ、肝心の料理自体は、普段我々が食べているものと何ら変わらない気がするのだけれど……。

・食べ比べてみた

試しに通常お店で出しているタレと、ハラルのタレの味を比べてみた。みりんなどが使えないので、砂糖で調節しているらしい。

ほほう、ぺろっ……こ、これは!

全然わからねー。ていうか一緒だろこれ。ハラルってないよ! いつもの味だよ!! お次はキムチ。ちなみに、キムチは味がかなり異なる仕上がりになっているらしい。いわゆる「うま味成分」には豚肉エキスが含まれることがあるが、たしかにそれも使えないしな。そうかそうか、それではパクリ。

うん、どっちも完全にキムチだわ。若干ハラルキムチの方が辛い気がするけど、どっちにしろキムチだわ。こんな具合に「ムスリム対応メニュー」といっても、日本の焼肉を食べ慣れている日本人でも気が付かないくらいに、牛角本来の味が守られているのであった。

・絶対気付かない

まあ、あとはとにかく、肉を焼いて食うのみ! ハラルタレにつけてガンガン食べてみたが、正直ただウマいだけで違いなんてわからねー!! ほぼ日本人が食べるのと一緒。ムスリムの人も、日本に来てこれ食べたら普通にウマくてビビるって。石油王が牛角を買い取っちゃうって!

最後に、国境を越えるであろうウマさの『牛角アイス』を食べフィニッシュ。えー、「ムスリム対応メニュー」の取材でやって来ましたが、言われなければ終始気付かなかったと思います、さーせん。しかし、実はこれ、牛角の大勝利だと思うのだ。

・いつもの味を

お客側から考えれば、いくらハラルだからって、日本人が違和感を感じる焼肉を食べたいか? それよりも日本人が「これほぼ同じだよ!」と言う焼肉を食べる方が嬉しいはずだ。そういう意味でも、この「ムスリム対応メニュー」は自信を持って彼らにオススメ出来る。

少々高価だが、食材の用意から調理、提供に至るまでの労力を考えると妥当かなという印象だ。独自の文化、習慣を持った外国人観光客が、安心して日本の食を楽しめるのは素晴らしいことだと思う。今後は、こういった対応をする飲食店が増えるのではないか。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 牛角赤坂店
住所 東京都港区赤坂3-12-11 セントラル赤坂ビル 2F
時間 11:30~3:00
※「ムスリム対応メニュー」は完全予約制のため、3日前までに電話予約が必要。

参考リンク:PR TIMES
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼グラスも、

▼タレの器もハラル専用

▼タレもハラル

▼アルコール類が使えないため、味付けは通常メニューと違うとのこと

▼しかし、正直ただウマいだけで違いなんてわからねー!

▼『石焼ビビンバ』も違うらしい

▼言われなければ終始気付かなかったと思います、さーせん

▼牛角赤坂店は4月17日オープン