世の中には未知の食べ物がたくさんある。私(佐藤)はいろいろなお店に取材に行っているのに、コレなんだ!? と思うモノに遭遇することは珍しくないのだ。最近神奈川県川崎市を訪れたところ、そこで未知の料理に出会った。それが「チャーボン」だ。

チャーボン? なんだそれ。看板を見ると、「直径25cmチャーボン」と書いてある。ますますわからない、チャーボンとは何なんだ!?

・チャーボン?

そのお店「多福楼」は、JR川崎駅から徒歩約5分のところにある。半地下の1階入り口にデカデカと「チャーボン」と掲げられているのだ。この言葉の響きは「チャンポン」に近いものを感じる。何か関係あるのか? 少なくとも中華料理であることは、店構えから想像がつくのだけど……。

・チャンポンのルーツ

メニューを見ると、丁寧にチャーボンに関する説明がある。それを読むと……。現在の日本のチャンポンは和製であり、このお店では本来の中国・福建省由来のチャンポンに近いものを作り、それをチャーボンと名付けたそうだ。なるほど、チャーボンはチャンポンのルーツに当たると考えて良いのだろう。そしてその、チャーボン(五目チャーボン850円)を注文してみた!

出てきた五目チャーボンは、パッと見た感じ、麺料理には見えない。薄焼きタマゴの上に、餡に絡んだ五目具材がたっぷり乗っている。

福建省版のチャンポンだから、当然麺は入っていると思うんだけど……。もしかして、チャンポンのルーツは麺が無いのか? と思ったら……。

・五目餡の下の薄焼きタマゴの皿に下

あった! 麺は細麺で焼いてある。これはかなり手間のかかる料理。焼き麺の上に、薄焼きタマゴを敷き、さらにその上から五目餡。食べてみると、餡とタマゴの柔らかな食感の向こうに、パリパリとした麺の歯ごたえ。その食感のコントラストが面白い。和製チャンポンとは、全然違うじゃないか。

こりゃたしかに、もしこの料理が「チャンポン」と名付けられていたら、お客さんは和製チャンポンだと勘違いしそうだ。「チャーボン」と命名して違う料理だと伝えるのが、混乱を避けるやり方のように思う。

ちなみにこのお店、餃子も美味しく、面白いサービスも実践している。とにかくチャーボンを食べて、チャンポンのルーツを感じとって欲しい。

・今回訪問した店舗の情報

店名 多福楼 川崎店
住所 神奈川県川崎市川崎区砂子2-7-9
営業時間 11:00~翌4:00
定休日 なし

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼店前にあった、刀削麺の看板がやたらカッコイイ

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カッコよすぎる

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