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最近、乳首がアツい。……といっても、今の私(筆者)の乳首が温度的に熱いという意味ではない。そこは普通だ。どういうことかというと、乳首露出の許容度が男女で違う現状に対して「おかしいだろ!」と抗議する人たちがアツく、また、その戦いが注目を浴びているという意味でアツいのだ。

例えば、今回紹介する人たちの戦い方は間違いなくアッツアッツ。熱意もアツいがアイディアもアツい。これは……意表を突いたゲリラ戦法である!

そこで使われる武器は乳首型のブローチ。名称は『Free The nipple(乳首に自由を)』という。ネーミングで察しがつく通り、乳首解放のメッセージが込められたブローチだ。

そのブローチを服の乳首あたりに装着すると、当然ながら乳首が出ているように見える。だがブローチなので、もちろんガチで乳首を露出しているワケではない。一種の禅問答のようだが、乳首を前面に出しているが、乳首は出ていない。

乳首は出ている。

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でも乳首は出てない。

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乳首は出ている。

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でも乳首は出てない。

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──ということだ。

「どういうことやねん!」というツッコミが聞こえてきそうなので補足したい。例えば、女性が下着をつけずに白いシャツを着て写真を撮ると、場合によっては乳首が見えてしまうだろう。そしてその画像をインスタ上で公開したら、アカウントがバンされる可能性だってある。インスタのガイドライン的に、女性の乳首は基本NGだからだ。

しかし、この乳首ブローチをつけていたら……どうだろう? ブローチのおかげで、ガチの乳首を見せているわけではない。だから、もし問題になろうものなら「は!? 乳首出してませんけど? 単なるブローチですけど。何か?」となる。ネット公開の面でのディフェンスはバッチリだ。

そして、そうやってディフェンスを整えながら、女性の乳首公開が許されない現状を皮肉るという攻撃を繰り出している。カモフラージュして守りながら、攻めているのだ。つまり『Free The nipple』は、一般市民のフリをしているが戦う気はバリバリある、ゲリラ兵士のようなアイテムと言えるだろう。

なお、この『Free The nipple』の価格は15ユーロ(約1800円)、で、ピンクとダークコーラルの2色展開。「pretty ugly」というファッションサイトで購入可能である。

・チクビームが世界を変えるか?

それにしても、以前に紹介した「乳首画像だけのインスタ」といい、最近は乳首の不満を乳首で抗議するという手法が流行っているのかもしれない。毒をもって毒を制すならぬ、乳首をもって乳首を制すだ。そんな彼らの発したチクビームが、近い将来 女性の乳首公開を許さないこの世界を変える……のかもしれない。

参照元:Instagram @_prettyuglyMashablepretty ugly
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.