2016年、ナイジェリアで撮影された1枚の写真が世界中を震撼させた。ある女性が、痩せこけた2歳の少年を保護している場面が収められているのだが、少年は「黒魔術師だから」と家族に捨てられ、ゴミを漁りながら1人で生きてきたというのだ。

あれから1年。この少年が再びネット上で注目を集めている。しかし今回は、いかに少年が元気になったかに多くの人が驚いているのだ。

・“魔女狩り” の被害にあった少年を保護

デンマーク人のアンジャ・リングレン・ローベンさんは、アフリカで “魔女狩り” にあう子供たちを守るために NGO団体『DINNoedhjaelp』と『アフリカ児童への教育・開発援助基金(African Children’s Aid Education and Development Foundation)』を立ち上げた人物。

2016年1月、ローベンさんはナイジェリアの市場で、「黒魔術師」とのレッテルを貼られて捨てられた幼い少年を保護した。

ガリガリに痩せ、うつろな目をした少年に水を与えるローベンさんの姿は、少年の置かれた境遇の悲惨さとともに、瞬く間に世界中で話題となった。

適切な処置を受け、保護施設で暮らすことになった少年に、ローベンさんは「生き抜いてほしい」という願いを込めて英語で “希望” を意味するホープと名付けた。

・1年後にはこんなに健康な姿に!

そして2017年1月30日。SNS 上にアップされたホープ君の写真が、再び注目を集めることになる。前述の写真と同じように、ホープ君はローベンさんから水を飲ませてもらっているのだが、2人を包む雰囲気は全く違っている。

ホープ君は見違えるほどに健康そうで、きちんとした洋服も着せられており、大切に育てられていることが伝わってくるのだ。そんな彼を見つめるローベンさんも柔らかい表情をたたえている。

現在、ホープ君はローベンさんの元で35人の保護された子供たちと一緒に暮らしており、幸せな日々を送っているそうだ。

・様々な要因で起こる「黒魔術師」のレッテル貼り

アフリカの一部では、ホープ君のように「魔女」や「黒魔術師」との烙印を押された大人や子供たちが、迫害や拷問を受けたり、殺害されたりしている。なんとも前時代的な迷信だが、2010年のユニセフの発表では、このような “魔女狩り” の被害者の数は増加しているとのこと。

『セーフ・チャイルド・アフリカ』によると、離婚や死、病気など、家族に不幸が降り掛かったことがキッカケで迫害が始まるパターンが多いもよう。その背景には、社会的・経済的な圧力、紛争、貧困、地域の都会化・衰退、HIV や AIDS の蔓延など様々な要因が挙げられる。

また「孤独を好んだり、身体の一部が変形していたり、自閉症だったりする男児」が被害にあうことが多いとも、海外メディア『The Washington Post』は伝えている。

そんな “魔女狩り” から子供たちを守りたいと活動を続けるローベンさんは、2016年にドイツの『Ooom Magazine』から「今年最も活躍した人物」に選出されているのだった。

参照元:CBSThe IndependentThe Washington Post(英語)、Facebook
執筆:小千谷サチ