“三角お耳” が特徴の猫だが、全ての猫がピシッと尖った三角形の耳を持っている訳ではない。“不妊去勢済みの印” として耳にV字カットが施された地域猫やケンカで耳がギザギザになったボス猫。ドラえもんみたいに両耳がない猫だっているのだ。

今回ご紹介するのも、ドラえもんみたいに両耳がないニャンコ。耳がなく音も聞こえないけれど、飼い主の女性をお守りする毎日を送っているんだって!

・両耳を切断し、聴覚器官も失ったオウタイティス

大学院生のモリー・リヒテンウォルナーさんに引き取られた、真っ白い耳なしオスニャンコ。耳がないからか「中耳炎」という意味をもつ “オウタイティス(otitis)” と名付けられたそうな。

巨大な粉瘤種ができてしまったことから、オウタイティスの両耳は切断されることに。聴覚器官も失い、元飼い主では手に負えなくなったため、動物愛護団体「Feline Rescue Association of Baltimore」で保護されることになったと伝えられている。

しかし両耳がないことから、なかなか新しい家族は見つからない……と、そんなオウタイティスの前に現れたのがモリーさんだった。

・「いつか猫を引き取りたい」と願ってきたモリーさん

モリーさんも、交通事故が原因で深刻な不安障害を抱えている。けれども農場に生まれ、幼い頃から猫に囲まれて育った彼女は、苦しみを乗り越えるために動物の力を借りる必要があることに気が付いたそうだ。

不安障害なので、いつでも猫を引き取ることができる訳ではなかったようだが、「猫が飼える状態になったら、ハンデを抱えている成猫を引き取ろう」と考えていたということだ。

・モリーさんとオウタイティスの生活は Instagram にもアップされている

そして準備が整ったと感じたモリーさんが里親サイト上で出会ったのが、9歳半のオウタイティスだ。

「オウタイティスを見た瞬間に、この子だとすぐに分かりました」と彼女は海外サイト『Love Meow』に対して語っている。かつて耳が聞こえない犬を飼っていたモリーさんにとって、オウタイティスのお世話は難しくなかったようだ。

一緒の生活が始まった途端、オウタイティスはモリーさんに甘えはじめたとのこと。その様子は Instagram 上でも見ることができるのだが、モリーさんが眠っていても、パソコンを使っていても、お茶を入れているときでも、いつでもそこにはオウタイティスがいる。

・モリーさん「保護して本当に良かった」

そんなオウタイティスに、モリーさんは助けられていると話す。

「私が強いストレスやパニック障害に襲われたときなど、オウタイティスはいつも寄り添ってくれます。この子だけが、私を落ち着かせてくれることもあるんです。保護して本当に良かった。間違いなく私にとっての救いです」

オウタイティスは、モリーさんの「感情支援アニマル(Emotional Support Animal)」としても正式登録されている。写真の中の1人と1匹を見ていると、彼らが出会えてよかったと思わずにはいられないのだった。

参照元:Love Meow(英語)、Instagram
執筆:小千谷サチ

▼仲良しのモリーさんとオウタイティス

▼グッスリ眠っているね

▼お茶を入れていても、ジーッと見つめてきます

▼コロンとした頭が可愛らしい

▼「感情支援アニマル(Emotional Support Animal)」として正式登録されているんだよ!

▼夜でもお守りします

▼まだパソコンしてるんですか?