今の日本では、電車内のベビーカーを迷惑に感じる人が多いと聞く。「場所をとり邪魔だから」「赤ちゃんの泣き声が耐えられないから」など色々な理由があげられるようだが、そう感じる人が多い社会では、学校の授業に赤ちゃんを連れ込むなど言語道断かもしれない。

しかしこの度、赤ちゃんと一緒に授業に出席することが許可された生徒が話題となっている。しかも先生自ら、生徒の赤ちゃんを抱っこしながら授業を行ったというではないか!

・妊娠した生徒を気遣う教授

赤ちゃんを抱っこしながら授業を行ったのは、米サウスカロライナ州ランダー大学の数学教授ジョージー・ライアンさん。

ライアン教授は、自分の受け持つ生徒サラ・トンプソンさんの妊娠を知ったとき、彼女を落第させないように力になりたいと思ったとのこと。大学、仕事、子育ての “3足のわらじ” を履いた生活を送れば、生徒が疲れ果ててしまうのではないかと心配したのだ。

・「他の生徒の迷惑にならないか」ちょっと心配だった母親

そこでライアン教授は、「赤ちゃんと一緒に授業に出席してほしい」と生徒に申し出ることにした。トンプソンさんは教授からの配慮をありがたく感じつつも、「本当に連れて行っていいのか?」「赤ちゃんが泣いて他の生徒に迷惑をかけるのではないか」との迷いもあったようだ。

けれども教授の言葉を信じた彼女が、生後3週間の息子イザヤ君を初めて授業に連れて行ったところ、何も問題は起こらなかったそう。他の生徒の集中を妨げることもなかった上に、授業の間ずっと、教授がイザヤ君を抱っこしてくれていたというのだ。

・「世界にはこんな先生がもっと必要」

トンプソンさんがそんな教授の写真とエピソードを Facebook に投稿したところ大きな話題に。「素晴らしい先生だ」「赤ちゃんも早くから数学に触れられて幸せだね」などの声と共に、多くの賛同が集まっている。

投稿の中でトンプソンさんは、「世界にはこういった先生がもっと必要かもしれません。この投稿が、他の教育者や母親、子供を持ちながら仕事と勉学に励む女性を勇気づけることができたら嬉しいです」と語っている。

今でも、イザヤ君を週に1度ほど授業に連れて行っている彼女。イザヤ君も授業中にオナラをして教室中を笑わせたりと、クラスメイトから温かく受け入れられているということだ。

参照元:CBS NewsInside Edition(英語)、Facebook[1][2]
執筆:小千谷サチ

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