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電車に乗ると必ず耳にするのが車内アナウンス。乗客に次の駅を教えてくれる便利なものだが、通いなれた路線では聞き流している人も多いだろう。だが、ここ数年で車内アナウンスが大きく変化したのをご存知だろうか?

通常なら連絡事項を知らせて終わり……だが、たまに車掌さんが「ほっこりするフレーズ」を言ってくれるのである。その電車に乗れた日は、何だかとてもいい気分。「聞いたことがある!」と言う人もいるのではなかろうか。そこで! 今回は、実際に記者が耳にした車掌さんのほっこりフレーズをいくつかご紹介したい。

・都内の電車で

そもそも初めてほっこりフレーズを聞いたのは、2015年の夏ごろ。その日は仕事で終電になり、「目をつぶればすぐ寝れる」と思うほど心身ともに疲れはてていた。そんな時、ふと以下の車内アナウンスが耳に入ったのである。

「今日も1日お疲れさまでした。どうか気をつけてお帰りください」

一瞬、何かの聞きまちがえかと思った。その電車は毎日利用しているが、こんな優しいフレーズを聞いたのは初めて。観光地の電車では、景色を楽しんでもらおうと気の利いたアナウンスが流れたりする。

だが、ここは東京都内。しかも帰宅ラッシュで車掌さんも忙しい中、わざわざ思いやりにあふれた言葉をかけてくれるとは……「素敵やん!!」としばらく余韻に浸ってしまった。

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当然ながら「お疲れさまでした」と言われて、嫌な気持ちになる人はいない。むしろ、1日の疲れを労わる言葉に救われた人が多いはずである。

・いくつかの「ほっこりフレーズ」

それ以来、どうしてもまたホッコリフレーズを聞きたくなった記者は、注意深く車内アナウンスに耳を傾けるようになった。たいだい3カ月に1度、もしくはそれ以上通常の車内アナウンスのみだったが、いくつかの路線でほっこりフレーズに出会うことができた。どうか電車に乗っているつもりで聞いてほしい。

・東京メトロ

「本日もいってらっしゃいませ!」
「どうぞ、よい週末をお過ごしください」

・JR

「寒い日が続いております。皆さま、風邪などひきませんようお過ごしください」
「(週末で)どうぞ1日楽しんでくださいませ」

──以上である。どれも不意に車内アナウンスで言われたら、思わず心が温かくなってしまうのではなかろうか。もちろん、どのフレーズも同じ車掌さんではないし、聞いた時間帯もバラバラ。だが、記者は「終電の終点前」や「早朝」に体験したことを記述しておく。

なお、「東京メトロ」と「JR東日本」の問合せセンターに感動した旨を伝えたところ、どちらも「乗務員個人の気づかいだと思いますので……」とのこと。あくまで会社が「こう言いなさい」と指示したことではないそうだ。なのでなかなかほっこりフレーズは聞くことが出来ないが、残念に思わないように。ある日、突然耳にした時のほうが感動も大きいだろう。

執筆:りょう
Photo:RocketNews24.