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1秒の定義とは。国際単位系(SI)によると「セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の91億9263万1770倍に等しい時間」だという。そんな “秒” という単位は、時を刻むだけでなく、体感として「とても短い時間のたとえ」に使われることも多い。

それはさておき。お隣・中国で一瞬とも言える時間内に、衝撃の事故が起きてしまった。一言で表すと「発車3秒で即ボカン」。人気のSUV車が、発進直後に爆発したというのだ。その様子は監視カメラの映像に収められていた。

・発車3秒で即ボカン

動画に映し出されているのは1台のランドローバー社製「レンジローバー」。ラグジュアリーなSUV車として知られる英国生まれの自動車だ。……などと悠長に見ている余裕はなかった。発車直後のレンジローバーが一瞬で爆発してしまったのである。その時間、わずか3秒である。

・動画が拡散 → 警察も調査する事態に

衝撃映像である。この動画はネット上で注目を浴び、「爆発物が仕掛けられていた?」とか、爆発事故が報告されている「サムスン製 Note7 を乗せていたのでは?」など様々な憶測と共に大拡散していった。そしてついに現地警察も調査に乗り出したという。その結果……

・予備タイヤが原因か?

事故は2016年8月30日に、河北省三河市で起こったもの。そして気になる爆発原因は、タイヤではないかと結論づけられたのだ。

クルマのオーナーによると何でも、指摘を受けたタイヤは2日前に換えたばかりの予備タイヤであったという。しかし、そのタイヤは2年前から積んでいたもので、とくに点検などしていなかったそうだ。装着後、車内で異常を知らせる表示が出ていたというが、そのまま使い続けていたとのことである。

・たかがタイヤとナメてはいけない

なお、当初、運転していた人物は死亡したのではないかと伝えられていたが、中国メディアによるとこの事故で死者は出ておらず、運転者が大腿部骨折、同乗者は軽傷だったと報じられている。事故に遭ったことは決して喜べることではないが、生きてたんだ、よかった……!

これだけ大きな爆発で、死者が出なかったのは不幸中の幸いだろう。現在、各地の公安SNSでタイヤの爆発力がいかに凄まじいものかと注意喚起がなされている。何かあってからでは遅い。クルマの整備・点検はこまめに行いたい。

参照元:中国新聞網、SinaWeibo[1] [2]YouTube、経済産業省「新軽量方法とSI化の進め方」(PDF)

▼ニュース動画。当初、運転者は死亡と伝えられていたが、実際は大腿部骨折とのことである